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[関東1部]国士舘大の注目MF進藤、警戒される中でも結果残す同点弾

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[10.8 関東大学リーグ1部第16節 慶應義塾大 1-1 国士舘大 慶應義塾大学下田G]

 国士舘大の注目MF進藤誠司(4年=流通経済大柏高)が値千金の同点ゴールを決めた。0-1の後半32分、進藤は右CKからボールが中央に流れてきたところを頭でプッシュ。苦しい展開でチームに勝ち点1を拾わせた。

 自分が決めたいという思いがあった。進藤は後半14分、相手の右SB増田湧介の飛び出しを防ぎきれずPKを献上。これはチームメートのGK小澤章人がビッグセーブして失点とはならなかったが、国士舘大はその後25分に先制点を奪われていた。「自分の責任も結構感じていた。できれば自分が決めて同点に追いつきたかった」。ゴールへの嗅覚を研ぎ澄ましている中で迎えた右CK。「まぐれみたいなもの。集中はしていたんですけど」と微笑んだが、汚名返上となる同点弾だった。

 左の強力アタッカーは昨年、リーグ2位タイの6アシスト。5得点も記録してチームのリーグ4位に貢献し、準優勝した全日本大学選手権でもそのスピードある突破で対戦相手を苦しめた。最上級生となり、10番を背負う今年はマークが厳しくなったが、その中でも昨年を越える6得点をマーク。この日も馬力十分の動きでDFを振り切り、スペースへの飛び出しから数多くのシュートシーンをつくり出した。試合終了間際の決定的なヘディングシュートをわずかに外してヒーローになることはできなかったが、90分間相手にとって嫌な存在であったことは間違いない。「今年は引っ張っていかないといけないし、マークも厳しくなった。ただ、最近はみんなもマーク着かれる中でも(自分にボールを)出して大丈夫というのが分かってきてくれた。(チームとしての)結果はあまりいい方向にはいっていないですけど、内容的には点も取れていて、そんなにこれはダメだなというのはない。あともう少しですね」と手ごたえを口にする。

 流通経済大柏高3年時の全国高校選手権で4強入り。日本高校選抜の一員として欧州遠征を経験し、今年関東大学選抜でもプレーした注目株は、4年生となった現在が4年間で最も自分の役割を整理してプレー出来ているという。「3年の時も警戒をされていましたけれど、(きょうも慶大が)ボランチだった増田を右SBにしてきたり、相手が対策を練ってくるというのは自分としては結構嬉しい。その中で結果を出さないといけないという立場でもありますし、その中で結果を出さないと上にもいけないと思う。今はゴールすることを意識出来ている。きょうみたいなゴールでも、点取らないと注目されないと思う。4年間で今が一番、自分が何をしないといけないのか明確になってきている」

 まだ進路は決まっていない。ただ「自分自身はまだ焦っていない」というMFは「しっかりとチームに貢献してれば、自ずと次のステップにつながる話ももらえると思う。J行ったときに何もできなかったら意味がない。大学リーグでしっかり自分のやれることを明確にしていきたい」。結果を出し続けて昨年あと一歩で果たせなかった日本一を掴み、自らの進路も切り開く。

(取材・文 吉田太郎)

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