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[関東1部]長期離脱乗り越え・・・プロ入り目指す国士舘大GK小澤が渾身のPKストップ

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[10.8 関東大学リーグ1部第16節 慶應義塾大 1-1 国士舘大 慶應義塾大学下田G]

 国士舘大は後半14分、慶應義塾大SB増田湧介のPAへの飛び出しを防ぎきれずにPKを献上。だが「あのPKになるまでそんなに相手にチャンスもなかった。ここで失点したら相手の雰囲気に飲み込まれちゃうと思った」というGK小澤章人(4年=西武台高)が、右へ跳んで増田のPKを阻止する。雄叫びを上げる守護神にチームメートが感謝の抱擁。小澤はこの後1失点したものの、後半戦初先発だった試合で終始安定したプレーを見せてチームに勝ち点1をもたらした。

 西武台高(埼玉)3年時には全国高校総体4強、全国高校選手権8強。日本高校選抜の一員として欧州遠征も経験しているGKは昨年、最下位からリーグ4位まで浮上する快進撃を見せたチームのゴールを守っていた。試合中に相手選手と接触して起こした脳震盪の影響で終盤戦5試合を欠場したものの、最終節で復帰し、続く全日本大学選手権でも1回戦と準々決勝でゴールを守った。だが接触プレーをも怖れぬアグレッシブな飛び出しを持ち味とする小澤は、再び接触プレーで脳震盪を起こしてしまい、準決勝と決勝はベンチ外。医師の勧めで長期休養を取ったこともあり、今季の前半戦はコンディションが上がらず1試合のみの出場に終わった。そして復活を遂げて迎えた夏の総理大臣杯は初戦で開始17分に一発退場。この慶大戦まで出場機会を得られなかった。

 それでも「気持ちを切らさずにいつかチャンスが来ると思っていた。常に自分を信じて最後までやっていた」というGKは再びチャンスを掴むとPKを阻止してチームを救う活躍。「久しぶりの試合ということもあってポジショニングの部分でちょっと前に出過ぎたところもあったんですけど、次の試合からは気持ちも落ち着くと思う、修正出きると思う」と今後の活躍へ向けて意気込んだ。

 チームとしての目標は全日本大学選手権優勝。そして個人としてはプロ入りにこだわっている。「残りの試合でアピールできるように、練習からしっかり取り組んでいきたいと思っています。積極的な飛び出しとコーチング、そして声を出してアピールすること。少しでもアピールしてプロになれるように頑張りたい」。長期離脱を強いられても「どんどん前に出る積極的なプレーは自分の特長だと思うので、ビビらずやっています」と変わらないプレースタイルで奮闘する守護神がチーム、自身の目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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