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優勝の瞬間をピッチで迎えられず涙の湘南DF丸山「未熟者だった」

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[10.11 J2第36節 東京V 0-0 湘南 味スタ]

 出場機会を求めて湘南ベルマーレに加入したDF丸山祐市は、ここまでJ2リーグ戦全35試合でフル出場してきた。しかし、湘南の優勝が決まった瞬間、ピッチに立っていることはできなかった。後半アディショナルタイム3分、相手選手の突破をファウルで止めた丸山は、この試合2枚目の警告を受けて、退場となってしまったからだ。

 試合後、ミックスゾーンで記者に囲まれた丸山は「退場した後だと、記者の方も多いですね」と冗談を飛ばして、「優勝の心境は…退場に対しての気持ちの整理というわけではなく、ゲームに対しての気持ちの整理ができていない」と前置きをしてから、心境を話し始めた。

「今日に限らず、ここまで36試合をとおして難しい試合がたくさんありましたが、チームとして『湘南スタイル』というものを続けられたこと。今日、ピッチに立った選手たちだけではなく、練習中から全選手が優勝に向かってやっていった結果が、こういうふうになっていると思います。それが優勝という結果になったことが、自分としてはとても嬉しいです」

 試合後にゴール裏のサポーター席へ行ったとき、涙も浮かべていた。退場したことについて、「整理できていなかった」と説明するが、ミックスゾーンに来るまでに気持ちを切り替えたという。「42試合のうちの一つで退場して、個人としては未熟者だったし、『全然、まだまだな選手だ』とあらためて再確認できました。もっと練習で、こういう局面とかを突きつめないといけない」と、リーグ戦で初となった退場を、今後の成長につなげることを誓った。

 チームとしても、残りの6試合をどう戦うかが、来季につながると強調する。「残り6試合、中途半端に自分たちのスタイルを忘れてしまうようではいけない。サポーターが面白いと思ってくれているようなサッカーを継続してやらないと、J1に行ってもまたすぐに降格という結果になると思いますし、残り6試合が重要になると思っています」。

 J1昇格を決めた京都戦、そしてJ2優勝を決めた東京V戦と、ともにドローで終了。試合後にサポーターと撮影した集合写真を、心からの笑顔で撮ることはできていない。次節、優勝シャーレを受け取るホームでの長崎戦は、負けられない。その重要な一戦、丸山は出場停止でピッチに立つことができない。

 ここまで全試合フル出場を続けて来たリーグ初優勝の立役者は「次の試合はシャーレを勝って受け取りたいですね。僕は出られないから、集合写真を撮るときは端っこで映るようにします」と、チームメイトに想いを託した。
(取材・文 河合拓)
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