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[選手権予選]2度の右第5中足骨負傷、怪我に苦しんできた10番が富岡救う突破とアシスト:福島

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[10.11 全国高校選手権福島県予選準々決勝 郡山商高 0-1 富岡高 鳥見山多]
 
 怪我に苦しんできた10番が前年王者に白星をもたらした。富岡高のMF高橋洋人(3年)は後半16分に投入されると30分、右サイドでマークを外して一気にゴール方向へ切れ込む。連続でフェイクを入れてからシュートまで持ち込もうとしたMFは、判断良くラストパスを選択。「前の試合を見られていて、警戒されていると思ったし、外、フリーで見えたのでパスを出しました」と逆サイドでフリーのMF鈴木眞澄へラストパスを通す。これを鈴木眞が左足で決めて決勝点となった。

 高橋は2試合連続で決勝点をアシスト。先発出場した初戦からこの日は体力面などを懸念されてサブに回ったが、勝負どころで投入された期待に見事に応えた。「ガンガン行くだけだと思ってやりました」と少ない出場時間をフルパワーでプレーしつつも、「自分、なんか勝ちたい、勝ちたいと思うといいプレーできない。(でも、あの場面では)冷静に抜けたので良かったです」と冷静な判断で値千金のゴールを演出した。

 高橋は昨年12月に右第5中足骨を骨折。今年4月に復帰したが、7月に再発・手術をしたため、1か月前まで再びチームを離れていた。コンディションはまだ万全ではないが、なかなかボールを落ち着かせることのできる選手がいない中で佐藤弘八監督は「アイツが入るとリズムが変わるんで。そういう面では(決勝アシストのシーンは)顔上げていい仕掛けからでしたね」と話すなど信頼は厚い。怪我で苦しんだ1年間の最後の選手権、これからも10番の仕事をする。

(取材・文 吉田太郎)

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