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[AFC U-19選手権]「苦しい時に点取れる選手に」エース南野がU-19日本代表救う2発!!

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[10.13 AFC U-19選手権GL第3戦 U-19日本代表 2-1 U-19韓国代表 ミャンマー]

 エースとは如何なるものか。FW南野拓実(C大阪)は、そのプレーで示してみせた。勝利しなくては、グループリーグ敗退が決まる一戦。世界をかけたベスト8どころか、その手前での敗退は何がなんでも避けなくてはならない。だが、相手は宿敵・韓国。単に宿敵というだけではなく、ディフェンディングチャンピオンでもあり、まぎれもない強豪チーム。更に、最近ではU-16もU-21も公式戦で日本が敗れている。

「U-16、U-21が負けてて、悔しい思いしてる中で、僕らが韓国に負けたら日本人として悔しい思いがあると思う。僕だけじゃないんですけど、みんなもそういう負けず嫌いな気持ちを持ってやった」。クールな面持ちで、熱い気持ちを明かす。  

 ベトナムとの第2戦ではミスも目立った南野だったがこの日は違った。4-2-3-1のトップ下の位置でプレー。引いた位置から1トップのFW北川航也(清水ユース)へ鋭いパスを送り続けた。トップとしてだけでなく、チャンスメーカーとしての質も見せた。だが、やはりその存在感が光ったのは先制点のシーンだ。前半13分、右サイドのスローイン、南野は高い位置で受け、そのまま相手DFを交わすと、ゴール前に入る前の位置で豪快なシュート。「ニア上、結構入ると試合前から思ってたんです。まあ、だから迷いなく蹴りました。ファーストチャンスだったんで思い切って打ちました」と、明かす。

 だが、前半29分、同点に追いつかれる。引き分けでは敗退が決まるため、何がなんでも勝ち越さねばならない状況だ。こぼれ球が相手に転がり、守勢に回る時間帯も訪れるが、後半に入ると流れは日本に傾いた。
 
 「チームが苦しい時に点を取れる選手になれたら…」

 南野はそう考えていたという。招集の過程からしても、仕事をすべき存在であることは明確。チームの最年長で、FWではあるがキャプテンマークも巻く。「巻いてるからという責任感より、プレーで引っ張りたい」

 後半20分、南野はその思いを形にした。左サイドをMF金子翔太(清水)が崩し、MF関根貴大(浦和)へとつなぐと、最後は北川がマイナスのラストパスを入れ、走り込んだ南野が右足で決めた。

 とはいえ、再三のチャンスを決めきれなかったという反省も残る。「あと4点くらい決められた」と言って笑えるのは、勝てたから、次に進めたからである。

「その4点は次にとっておくというか。次勝たないと意味ないし、アジアチャンピオンになるにはこういう試合をもっと勝って行かないと」。あとひとつ勝てば世界への切符が手に入る。その勝負の一戦で、エースは再び輝きを放つ。

[写真]前半13分、U-19日本代表FW南野が右足で先制ゴール

(取材・文 了戒美子)
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