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[選手権予選]「全国9地域の注目校・選手vol.2」_FW坂本和雅(聖和学園高)

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特集企画[選手権予選]「全国9地域の注目校・選手」

 ゲキサカでは「選手権予選 全国9地域の注目校・選手」と題し、佳境に突入している全国高校選手権予選から各地域の注目校や注目選手を紹介。ユース年代を主に取材するライター陣に北海道、東北、関東など各地域から、選手権予選へ臨む注目校や注目選手を紹介してもらいます。第2回は3年ぶりの全国大会出場を目指す聖和学園高(宮城)のエースストライカー、プリンスリーグ東北得点王に輝いたFW坂本和雅選手(3年)です。

 今年の高校選手権宮城県予選は、全国高校総体に出場し、ヴァンフォーレ甲府入りが決まったDF熊谷駿(3年)を擁する仙台育英高と、その仙台育英よりもプリンスリーグ東北では上位となった聖和学園高が頭一つ抜け出ている状況だ。

 聖和学園はタレント豊富な今年、何としてでも選手権のタイトルを勝ち取ろうと意気込んでいる。聖和学園といえば、ドリブルで相手を抜き去る「魅せるサッカー」が大きな特長だが、今年の聖和学園にはこれまでの年にいなかった典型的なストライカータイプの選手がいる。FW坂本和雅(3年)だ。

 FC浦和、さいたま市尾間木中で活躍した坂本は、「体が小さくてもここならやれる」と中学3年生当時、総体や選手権の全国大会に出場し、ドリブル主体のサッカーで話題となっていた聖和学園の門を叩くことを決意した。

 坂本は今年1トップを張り、不動のレギュラーとして活躍。スピードを生かしたDFライン背後への抜け出しや、前線で体を張ってボールをおさめるプレー、そして天性のゴール感覚を加見成司監督は高く評価し、彼を起用し続けた。そしてプリンスリーグ東北では18試合で25得点を挙げ、見事得点王に輝いた。

 今年の聖和学園はドリブルを駆使した攻撃のみならず、坂本にロングボールを入れる攻撃も織り交ぜている。坂本にボールを預けさえすれば、必ずゴールまで運んでくれる。前線でためを作るプレーも、カウンター攻撃も何でもできる絶対的エースストライカーを利用しない手はないのだ。

 しかし、仙台育英と対戦した高校総体宮城県予選決勝では、試合開始直後にロングボールからのカウンター攻撃で坂本が先制ゴールを決めたが、徐々に仙台育英守備陣が慣れ始め、次第に聖和学園は攻撃が手詰まりとなった。結果は逆転負け。ロングボールとドリブル突破のバランスの取り方、チームとして坂本をどう生かすかが、選手権宮城県予選を勝ち抜く上での最大の課題と言えるだろう。

「魅せるだけでなく、勝ちきる力が欲しい」と総体予選決勝後に語った坂本。勝ちきる力は果たしてついたのか。悔しさをバネに聖和学園は頂点を目指す。

(取材・文 小林健志)
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