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[選手権予選]山形4強入り懸けた好勝負、東海大山形が山形城北撃破!

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[10.19 全国高校選手権山形県予選準々決勝 東海大山形高 2-1 山形城北高 鶴岡市櫛引陸上競技場]

 19日、第93回全国高校選手権山形県予選は準々決勝を行い、東海大山形高と山形城北高が対戦。新人大会、高校総体、山形県リーグで激しい戦いを演じてきたライバル同士の対決はやはり好勝負となったが、東海大山形が2-1で競り勝ち、準決勝へ駒を進めた。

 会場となった鶴岡市櫛引陸上競技場は前日に降った雨の影響でところどころぬかるみがあり、さらにセンターサークル付近の芝生が根づいておらず、厳しいピッチコンディションでの試合となった。

 それを踏まえて東海大山形は立ち上がりからロングボール主体で攻め込み、山形城北のディフェンスラインを押し下げて、優位に試合を進めた。そして16分、ゴール右サイドでFKのチャンスを得た東海大山形は、FW山口幸弥(3年)のフリーキックからFW山口翔平(3年)がシュート。これはゴール左ポストを叩いたが、キャプテンDF矢萩万裕(3年)がこぼれ球をゴールに押し込み東海大山形が先制した。

 その後も東海大山形が押し気味に試合を進めたが、35分にアクシデント。ここまで前半でボールをよくおさめ、チャンスを作ってきたFW三澤駿太朗(3年)がGKとの接触で負傷し、途中交代を余儀なくされた。1-0のまま前半終了したが、試合の流れは山形城北へと傾いた。

 山形城北は前半の反省を踏まえ、本来のパスサッカーではなく、ピッチ状態を考え、ロングボールを使うようになり、チャンスが生まれ始めた。小柄ながらドリブル突破が魅力のMF山川皓平(3年)や、エースストライカーで突破力のあるFW水戸一哉(3年)、途中出場ながら流れを引き寄せる積極的なプレーの目立ったMF大山虎太郎(2年)らが多くのチャンスを作ったが、決定機を決めきれなかった。

 後半劣勢だった東海大山形は31分、中盤でボールを奪ったMF松岡翔之(3年)がミドルシュートを決めて2-0と山形城北を突き放した。山形城北は前掛かりに得点を取りに行き、40分、水戸が強引なドリブル突破でPAに進入したところを倒され、PKを得た。PKをキャプテンMF近藤慶治(3年)が決めて1点差に詰め寄ったが、反撃もここまで。東海大山形が2-1で勝利し、準決勝米沢中央戦に駒を進めた。

「中盤でどうこうはできないのでシンプルに裏を突いた」と五十嵐直史監督が語る通り、東海大山形はピッチ状況を考えた戦いが功を奏した。ただし準決勝、決勝に向けては「献身的に走る選手で効いていたのだが、たぶん骨ではないか…」と五十嵐監督も心配するエースストライカー三澤の負傷が気になるところだ。一方、敗れた山形城北の渡邉和俊監督は「今日に限っては完敗。前からチェイシングされ、背後にボールを蹴られ、最後のところで突破された」と前半の戦いを悔やんだ。

 両チームの得点を挙げた選手は全て山形市のクラブチームSFCジェラーレ出身だった。「絶対負けたくない思いがあったのではないか」と東海大山形五十嵐監督が語る通り、互いの意地がぶつかり合った好ゲームだった。

(取材・文 小林健志)
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