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レバンテ対サラゴサの八百長騒動、ガビが疑惑のボーナスにサイン

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サラゴサ元会長の証言を裏付ける証拠が見つかる

 2010-11シーズンのリーガエスパニョーラ最終節のレバンテサラゴサにおける八百長疑惑に関する調査で、当時のサラゴサ会長アガピト・イグレシアス氏の証言を裏付ける証拠が出てきたようだ。スペイン『マルカ』が報じている。

 サラゴサは降格圏に位置する状況で臨んだ最終節のレバンテ戦で、2-1の勝利を収めて残留を達成したが、この一戦で八百長行為を働いた疑いがもたれている。イグレシアス氏は試合前に自チームの監督であった現日本代表指揮官ハビエル・アギーレ氏と選手、合計10人の口座に総額85万ユーロを振り込み、その現金を即座に回収していたとされ、35万ユーロを加えた計120万ユーロをレバンテ側に手渡した可能性がある。

 検察の反汚職局の聴取において、イグレシアス氏は選手たちから試合前にボーナスを要求されたと証言したが、口座に金を振り込まれたとされる選手たちは、ボーナスを受け取ったわけではないと主張しながら、八百長行為の認知を否定した。また自身の口座に金が振り込まれ、それをすぐクラブに返したことを認めた現アトレティコ・マドリー主将のMFガビも、「クラブに頼まれたことをやった。クラブは倒産法を適用する前だったので、債権者集会に関係したものと思った」と、同様にボーナスではなかったことを強調している。

 しかしながらイグレシアス氏は、検察に対してボーナスを支払ったことを証明する請求書が存在することも主張。検察から請求書の存在について質問された選手側は、ガビ以外は何も知らないと答えていた。

 そして20日、サラゴサ現幹部のフランシスコ・チェカ氏、サインス・デ・バランダ氏が検察に提出した当時の書類の中には、ガビだけが主将としてサインをしたチームのボーナスの請求書が存在していた模様だ。レバンテ対サラゴサは2011年5月21日に行われたが、書類の中には72万7120ユーロという額が記された5月23日付のボーナスの請求書もあったという。検察は八百長が事実であった場合に、これらの書類から、レバンテ側に渡ったとされる120万ユーロを裏付けることが可能と考えているようだ。

 チェカ氏は当時もサラゴサの幹部職に就いていたが、検察に対して1部残留によるボーナスの支払いがあったと認めながらも、選手たちへの振り込みの内容についてはイグレシアス氏だけが預かり知ることだったと証言したという。検察はまた、チェカ氏に対してサラゴサが2011年5月13日に9万5000ユーロ、20日に30万ユーロを同氏の署名によって引き出していた理由も質問したようだが、その返答はスポーツ&財政面に関するクラブの決定権が、イグレシアス氏とその右腕ハビエル・ポルケラ氏によって握られていたというものだったとされる。

 なおガビは検察の調べによって、サラゴサから最初に5万ユーロ、次に4万ユーロを受け取っていたことが明らかになっている模様。疑惑のボーナスへのサインによって騒動の中心にいる同選手は、以前に「なんでこのようなことに首を突っ込む必要があるんだ? 当時の僕は、すでにアトレティコとの契約にサインをしていたし、その試合が最後の一戦になることを分かっていた」と発言していた。

 サラゴサ現経営陣の聴取を終えた反汚職局は、これ以上誰かを呼び出すことなく、まもなく告訴に踏み切る意向。スペインの刑法ではプロスポーツの試合で不正行為を働いた者に対して、6か月から4年間の懲役刑、また最大で548万ユーロの罰金が科される。
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