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[MOM1158]神奈川県DF板倉洸(1年)_9戦2失点、鉄壁の守備もたらしたCB

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.21 国体少年男子決勝 神奈川県 1-0 群馬県 雲仙市国見総合運動公園多目的芝生広場]

 神奈川県の山本義弘監督(川崎市立橘高)は、1点を追う群馬県の攻撃を跳ね返したDF板倉洸(横浜FMユース、1年)とDF有馬弦希(横浜FMユース、1年)の2人のCBを賞賛。特に「良くカバーして、跳ね返して。本当にボクはそう思います」と板倉を決勝戦のマン・オブ・ザ・マッチとして讃えた。

 4戦14発の強力攻撃陣が1得点に終わったこの試合。神奈川はここまで攻撃陣の破壊力の陰に隠れてクローズアップされることのなかった守備陣の堅さが際立った。関東U-16トレセンリーグから国体決勝まで通じて9試合でわずか2失点。鉄壁を誇った守りを支えたのが、有馬であり、板倉だった。この日は1点を追う群馬が力ずくで1点を奪いに来ていた。特に神奈川MF田中碧が退場した後は1点を奪うために、神奈川の守備を崩すと言うよりも壊しに来ていた。だが板倉が「田中クンが退場してやることがはっきりして、点を取りに行くんじゃなくて、守り切ると言うことがはっきりした。最終ライン4人でプレーが切れた時に『絶対にやらせない』ということを確認して。最後の5分くらい、最終ラインはGK含めてずっと集中していた」というように神奈川の守りは破綻せず。1-0で歓喜の瞬間を迎えた。

 ただ、ヒーローのひとりである板倉は「全然ダメですね」と首を振り、「相手がスライドしてボールを動かしたときに、FWが落ちた時に縦パスに強く行けないというのがオレの課題で、それにまだまだ反応が遅かったかなというのがあった。またマークをぼかしてしまうというところがありました」と課題と反省を口にした。それでも「前日に群馬のビデオを見て、放り込んでくるのは分かっていたので、オレと弦希クンで跳ね返すのは絶対に負けないと。あとチャレンジ&カバーも意識してやっていました。競り合いは弦希クンが凄い強かったし、弦希クンの方にボールが集まっていた気がしたので、とにかくオレはカバーを意識して、早めに入って、絶対に次は拾うんだと。後ろに来た時は絶対に前に跳ね返せるように準備していました」という板倉は絶対にPAへボールを落とさせなかった。その集中力が群馬の反撃を断つ勝因となった。

 日本一になったこと、加えて「守備陣、数字で結果が出たので嬉しいです」と堅守が際立ってのでタイトル獲得を喜んだ。ただ全国優勝を「通過点」とした板倉は「課題みたいなところが出てきたので、意識して次につなげていければなと思います」。強豪たちの攻撃からゴールを守り抜いたDFはさらなる成長を誓った。

(取材・文 吉田太郎)
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