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[MOM1160]青森山田FW木戸隆生(3年)_代役から主役へ、4得点に絡む活躍

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.25 全国高校選手権青森県予選決勝 青森山田高 6-0 八戸学院野辺地西高 青森県総合運動公園陸上競技場]

 これまでは途中出場がほとんどだった。しかし、1トップを張っていた松木駿之介が骨折し、突如彼に出番がやってきた。

「選手権までには絶対にレギュラーを取りたいと思っていた。ドリブルには自信があるので、チャンスが来たら、どんどん仕掛けて点を取りたいと思っていた」。

 青森山田高のFW木戸隆生(3年)プレミアリーグEASTでスタメン出場を果たすと、選手権予選でも4-1-4-1の1トップとして君臨し、決勝の舞台で躍動をした。青森山田はこの試合、1点が入るまではどこか攻撃が噛み合なかった。「みんな硬さからか、縦へのボールが多くなっていた。僕も相手のDFラインの裏を狙っていたが、自分がサイドに流れてボールを受けた方が、ドリブルで相手を崩せると思った」と、冷静に状況を見極め、ポジションを左サイドに流れる形で、ボールを引き出そうとした。

 23分、左に開いた木戸にパスが届く。食いついてきたDFを一瞬のスピードで置き去りにすると、そのまま左サイドをえぐり込んで、GKを引きつけてマイナスの折り返し。これをファーで受けたMF野口雄輝ががら空きのゴールに蹴り込んだ。

 停滞していた流れを一気に引き戻した木戸は、後半3分にはDF小笠原学のグラウンダーのクロスをファーサイドで気迫のスライディングシュートで押し込み、試合を決定づける2点目を奪った。さらに10分には中央からの強引なドリブル突破でPKを獲得。4-0で迎えた21分にもドリブル突破から再びPKを獲得し、ともにMF山下優人のゴールをお膳立て。6得点中4得点に絡む活躍で、18連覇達成の立て役者となった。

「点を取れたのはうれしいけど、僕はまだ実力でレギュラーを取った訳ではない。もっと結果を出さなきゃいけないので、プレミアリーグの残り3試合でも結果を出して、松木が復帰しても、レギュラーを張り続けられるように頑張りたい」。

 活躍したからといって、レギュラーを保証された訳ではない。全国屈指の強豪校でプレーしているからこその“宿命”を彼はよく理解している。だからこそ、より彼の表情は引き締まった。

「木戸はドリブルが良い。思い切りよくしかけられるし、キープも出来る。この状態なら松木が復帰したら、サイドで起用しても面白いね」。彼の躍動は黒田監督の気持ちも大きく揺れ動かした。FWとして、サイドアタッカーとして、目標である選手権でのスタメンの座は着実に近づいている。

(取材・文 安藤隆人)
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