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100回に1回のゴールが同点弾、優勝争いを楽しむ李「ヒリヒリする」

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[10.26 J1第30節 鹿島1-1浦和 カシマ]

 可能性を信じて走り込んだ。0-1で迎えた後半18分、MF阿部勇樹がミドルシュートを打つと、FW李忠成は一瞬、GK曽ヶ端準の動きを見てタメをつくり、ゴール前に詰めた。GKが前に弾いたボールを右足で押し込む同点弾。李の7試合ぶり今季6得点目が浦和レッズに勝ち点1をもたらした。

「こぼれ球は毎回毎回狙っているけど、100回狙って1回ゴールになるかどうか。今日、その1回が来たのかなと思う」。ゴールへの執着心。得点後はゴール裏のサポーターに向かって両拳を握りしめ、力強いガッツポーズを見せた。

 前節・甲府戦(0-0)まで7試合連続で先発しながら、その間に奪ったゴールは1点。8試合ぶりのベンチスタートに「何が何でも得点と思っていた」と明かす。

「(先発を外れて)もちろん悔しかったけど、3連戦の最後で、前日から監督もフレッシュな選手が出てくるほうがいいという話をしていた。自分もフレッシュな体で(途中から)出たほうが結果が出るのかなと。ミシャ(ペトロヴィッチ監督)の采配が当たった」

 勝ち点7差の4位鹿島との上位対決。どうしても勝ち点3が欲しいのは、追う鹿島のほうだった。「引き分けだけど、最低限の結果。勝ち点差が縮まっていたら、鹿島も勢い付いていたと思う」と、直接対決での勝ち点1獲得をポジティブに捉える。

 ただ、2位G大阪は勝ったため、勝ち点差は3に縮まった。得失点差では浦和の+22に対し、G大阪は+24で上回っている。次節11月3日の横浜FM戦が終われば、同22日にはホームでG大阪との直接対決が控える。次節の結果次第では、直接対決で順位が逆転する可能性もある。

 クライマックスが近づく今シーズン。それでも李は平静だ。「楽しみでしょうがない。こういうシチュエーションで優勝争いができるチャンスは、そうそうめぐってくるものではない。ヒリヒリする感じがサッカー選手として楽しい。ここでやるしかない」。追われるプレッシャー以上に、シーズン終盤まで優勝争いの主役を演じられていることを純粋に楽しんでいる。

(取材・文 西山紘平)

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