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[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.10]一条高FW釼恭輔(3年)

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DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」 
[10.26 全国高校選手権奈良県予選2回戦 奈良大附属高 1-12 一条高 奈良学園高グラウンド]

 初戦という難しい試合ながらも奈良大附属高から大量12得点を奪い、2年連続の全国高校選手権出場に向けて幸先の良いスタートを切った一条高。その攻撃の中心にいたのが168cmの小兵FW釼恭輔(3年)だった。

 開始5分に右CKが反対サイドに流れた所をMF松室直希が冷静に決めて先制した一条はここから怒涛のゴールラッシュを開始。その中でも目を惹く活躍を見せたのが釼だ。「オフ・ザ・ボールを意識している。ボールが無い所での動きにこだわった」という意気込み通り、15分には中盤からMF岩倉廉太が蹴り出した縦パスに素早く反応。前に出たGKよりも先に触って、そのまま無人のゴールに流し込むと、続く16分にもMF下谷翔大のスルーパスから右サイドを抜け出し、GKとの1対1に持ち込む。冷静にゴール左隅を狙ったシュートがチームの3点目となり、試合の行方を決定づけた。そして、28分にはFW岡本和のパスからゴール前に抜け出してハットトリック達成。他にもシンプルに周囲を使う動きで攻撃の起点となり、相手チームからも怖かった選手として真っ先に名を挙げられる存在だった。

 中学時代も身体は小さく、当たり負けする事も多かったためコンプレックスがあったというが、小さな身体を補うために“出して動く”の繰り返しを意識し続けた事が、この日3得点もたらした動き出しの鋭さへと繋がった。今年の一条は純粋なFWが不在で、決定力不足と言われる事もあった。彼自身も昨年まではMFだったが、こうしたこれまでの努力はストライカーになるための下地となっている。更なる成長を遂げるために居残り練習を繰り返し、「足の速い相手でも先に動き出せば勝てるんで、常にゴールを意識しながら準備している」とゴールへの嗅覚に磨きをかけている。一歩ずつ成長を続ける彼のピッチでの存在感がとても大きいのはその努力故かもしれない。

 チームは前半で10点を奪いながらも、後半は2得点1失点とペースを落とした。「なんで後半、あんな試合になるか分からへん」と前田久監督が愚痴をこぼし、得点を伸ばす事が出来なかった釼も「前半は自分たちがこだわっているパス回しや、シュートが出来たけど、後半は相手に合わせ過ぎて自分たちのサッカーが出来なかった。前後半フルで自分たちのサッカーを出来るようにならないといけない」と口にしたように課題もまだある。だが、これまでも困難を創意工夫で乗り越えて、成長してきた。選手権予選を通じ、彼自身だけでなくチームもまた一回り大きくなれるはずだ。

(取材・文 森田将義)
 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
 そして今回、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画がスタート! 各地の高校世代のゲームの中から、毎週つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!

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【特設】高校選手権2014

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