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[MOM1164]盛岡商MF工藤大輝(3年)_“突破口”、そして“指揮者”として快勝演出

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.25 全国高校選手権岩手県予選準決勝 盛岡商高 6-0 専大北上高 盛岡南公園球技場]

 アグレッシブな突破が印象的な右のサイドアタッカー。左の千葉秀平とともに盛岡商高の強力なサイド攻撃を担うMF工藤大輝(3年)は「サイドだったらガンガン行く感じ」と説明するように、その仕掛けで右の突破口となっているが、この日は“本来の姿”でも勝利に貢献した。前半はサイドからのドリブルで相手を押し込むと、後半は一転、ボランチへ移り、前半やや急ぎ過ぎた攻撃のブレーキ役となった。太田浩史監督も「大は計算できる。攻守にわたってリズムをつくってくれた」と評価したように、工藤は守備のリスク管理をしながら攻撃のテンポを落ち着かせてチームを安定化。そして余裕のできた終盤は中央での鮮やかなターンでDFを抜き去って会場を沸かせるなど、印象的なプレーを魅せた。

「中学校ではボランチやっていて、中盤ではどこでもやれる」と工藤。盛岡市立高との初戦で2ゴールを奪った得点力と「サイドの人たちはみんな自信があると思います。嫌なところにボールを出すという事を練習してきた」というクロスもSHとして磨いてきたが、巧みなボール捌きと相手の裏をかくプレーにより自信を持っている。「運動量を増やすことによって相手を動かしながらも相手の逆を取る。足下で受けるフリして裏へ抜けたりとか、裏行くフリして足下で受けたりとか。(力づくで突破を図るよりも)フェイント使って、相手を騙したりする方が好きですね」。指揮官が「計算できる」と口にする安定感と、攻撃を彩り、リズムも生んだ“コンダクター(指揮者)”としてのもうひとつの「顔」が後半は非常に利いていた。

「岩手県は通過点。全国出て結果を出すことが目標」と意気込みを口にした工藤。自身の注目してもらいたい点について「今まで磨いてきたキープ力と相手をかわすフェイント、ドリブルですね」と語ったMFが自身の多彩な持ち味を活かしてチームに全国切符をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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