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[MOM1166]遠野MF小笠原光研(3年)_「チームにまだ貢献できていない」貪欲な10番がV弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.25 全国高校選手権岩手県予選準決勝 花巻東高 2-3 遠野高 盛岡南公園球技場]

 10番の意地があった。遠野高は2-2に追いつかれた7分後の後半24分、FW須藤和輝からのラストパスで抜け出したMF小笠原光研(3年)が、右足シュート。GKとの1対1を冷静に制して決勝点をもたらした。

 この日、小笠原は前半26分に左クロスをファーサイドで頭で折り返してMF岩渕弘人のゴールをアシスト。状況判断良く、丁寧なラストパスを通したこのシーンのほかにも、アタッキングサードでDFと対峙しながらパス、ドリブルなどより良い選択肢を見つけてプレーしている印象があった。「運動量があるので攻守にわたって貢献したい。周りを見ることは意識しています」という小笠原は派手さこそないものの、相手の急所を狙う怖さがあった。そして決勝ゴールのシーンではDFのズレを見逃さずにスピードに乗ったまま最終ラインにできたギャップへ入り込んで、千金弾をねじ込んだ。

 ただ、試合後に小笠原は「チームにまだ貢献できていない。もっと貢献できるように頑張りたい」と納得していなかった。10番を背負う者として相応しい活躍ができていないと感じている。前任の10番、FW本間達耶(現国士舘大)は総体予選決勝で4得点を挙げるなど誰もが認めるエースだった。「去年は本間さんみたいな絶対的な存在がいた。今年は自分、というよりはチームで勝ちたい」と語る一方で「10番背負っているので、プレーで引っ張っていかなければいけない」という思いがある。物静かな印象だが、チームの勝利のために少しでも貢献したいという思いは非常に熱い。

 チームは新人戦、総体予選決勝でいずれも盛岡商高に敗れるなど今季は無冠。ただ選手権予選決勝で雪辱するチャンスが訪れた。11月2日の決勝では「新人戦も、高校総体も負けているのでこの選手権で取り返したいと思っていた」というエースが、チームのタイトル獲得に貢献することだけを考えて全力で走り回る。

[写真]後半24分、遠野はMFは小笠原が右足で決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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