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[MOM1168]聖和学園FW坂本和雅(3年)_先制FKに加え「狙った」股抜き2発!高速レフティーがハット!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.26 全国高校選手権宮城県予選準々決勝 東北学院高 1-3 聖和学園高 宮城県サッカー場]

「自分は点取るだけなので、沸かせるのは周りに任せます」。技巧派軍団・聖和学園高のエースストライカーFW坂本和雅(3年)は「今年はみんな上手い。自分は上手くないですけど」と苦笑する。多彩なドリブルや足技で会場を沸かせることはチームメートたちに任せていると言うが、加見成司監督も「爆発する予感があった」という坂本はこの日、その飛び抜けた得点能力、ゴールでチームメート以上に会場を沸かせてみせた。

 まずは0-0の前半31分、坂本は左中間からのFKを左足で逆サイドのゴールネットを揺らす鮮やかな先制ゴール。「昨日も入ったんですけど、昨日の方が素晴らしかったんですけど・・・」という2試合連続のFK弾でチームにリードをもたらすと、追いつかれて迎えた後半にも技ありの2発でチームに勝利をもたらした。まずは18分、MF二ツ矢豪(3年)からのパスを受けると「あれは股を完全に狙っていました。最初はニア狙っていたんですけど、足出してくるだろうなと思ってファーにした」と必死に足を出してきたDFの股間を射抜く左足シュート。これがゴール右隅に決まる勝ち越しゴールとなった。

 坂本はさらに33分、再びDFの股間を射抜く左足シュートを決めてハットトリックを達成。「ワールドカップとかネイマールめっちゃ股抜いて決めていたじゃないですか。股って有効なんだなと。ネイマールがガーナ戦で決めて、あれいいなと思って。きょうは選手権で相手も必死なんで、相手も絶対に足出してくると思ったので狙っていました。上手くいきましたね」。この日の3発はどれも難易度の高いシュートばかり。プリンスリーグ東北得点王はそれをいとも簡単に決めてヒーローになった。

 試合によってはDFが3人がかりで止めに来ることもあるという坂本はこの日はなかなかボールに触ることができていなかった。だが、高校入学後に速くなったという50m走6秒1の俊足と「(プリンスリーグの25ゴールは)全部左じゃないですか?右で決めたことないですよ」と笑う研ぎ澄まされた左足。高校入学後にFWを始めたとは思えない得点感覚を発揮しているゴールハンターは間違いなく相手にとって脅威だ。プロなど将来へのこだわりをあまり感じさせない坂本だが「選手権で(ヒーローに)なれたらいいですね」。その左とスピードでチームを全国へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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