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[MOM1174]野洲MF山元壮太郎(1年)_注目の1年生アタッカー、選手権デビュー戦で3発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.30 全国高校選手権滋賀県予選2回戦 野洲高 13-0 近江高 野洲高G]

 点差が6まで開いた後半15分、野洲高の1年生MF山元壮太郎がピッチに姿を表した。ルーキーながらも山本佳司監督の期待は大きく、春先から3トップの一角として定位置を獲得。草津東高と戦った総体予選の決勝では決勝点を奪い、全国の舞台でも3試合全てスタメン出場。すでにチームにとって欠かせない存在だが、「初戦とあって緊張はあったけど、テンションが上がるというか、良い意味で“変な気分”でした」と振り返ったように選手権の雰囲気は他とは別だった。

 この日、主力組を温存してサブ組のテストを行った山本監督が、わざわざ彼を途中から出場させたのも「あの子らに公式戦の雰囲気、選手権特有の空気を味わせたかった」という親心から。山元は期待通り、投入からわずか5分後の後半20分に右サイドのFW植道たすくからの折り返しを冷静にダイレクトで決めると、「1点目を獲って自分的には落ちつけた。自分が入るまでは決定的なシーンを外していたので、自分が出たら絶対に決めようと思っていた」との意気込み通り、ここからゴールラッシュを開始した。25分にはFW植道たすくのパスをPAで受けると、寄せたDFを落ち着いたボールタッチで2人かわして2点目を決めると、終了間際の37分にも植道のパスをダイレクトで合わせてハットトリックを達成した。

 全国総体でストライカーの称号である9番を貰った際に「この番号を貰えると思っていなかった」と口にし、国体選抜ではボランチの位置でもプレーしたように純粋なFWタイプの選手ではない。スタイルは「ギャップで受けて、3人目に落とすという部分を買われていると思う」と前線でのゲームメイクを担う“偽CF”タイプ。この日も「バイタルでの狭い所で持っても、慌てないのが良い」という指揮官の評価通り、相手DFが何人もいる密集地帯の隙間に飛び込み、一人コマ送りに見えるような落ち着いたボールキープとパスで周囲を活かした。「慌てたらシュートも外してしまうので、ゴール前だからこそ落ち着いてプレーするように意識していた。点差が開いた状況だったのでチャレンジする事が大事」という試みは上手く行ったと言える。

「周囲を使うプレーだけでなく、点も獲れるようになれば、もっと良い。今年はあまり点が獲れておらず、選手権では点を獲りたかった。初戦で点を獲って、自分のモチベーションを上げよう思っていたので、今日の結果は良かったと思う」。ルーキーながら押しも押されもせぬ存在となった現状に満足は行っていない。更なる高みを目指す上で選手権の舞台を虎視眈々と狙っている。

(取材・文 森田将義)
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