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目指すはJ1残留の救世主! 劇的決勝弾の清水MF村田「みんなの気持ちが集結したゴール」

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[11.2 J1第31節 川崎F 2-3 清水 等々力]

 強い決意が決勝ゴールを生んだ。「救世主になる」。2-2で迎えた後半32分、FW大前元紀との交代でピッチに送り出された清水エスパルスのMF村田和哉は、チームの勝利を信じ続けていた。後半38分にはPA内で浮き球のバウンドを見極めて、フリーでシュートを放ったが枠を捉えられず。それでも、「もう一回、チャンスはまた来るな」と前を向いた。

 その想いが後半45分に届く。中盤でMF本田拓也がMF大島僚太からボールを奪う。縦に入った本田が回収したボールをFWノヴァコヴィッチがつなぎ、ボールはMF石毛秀樹に渡る。石毛からの縦パスに反応したのが、村田だった。

「ボールを持った瞬間、ゴールしか狙っていませんでした。自分が決めるっていう想いは強く思っていました」と言う村田は、PA内の右へドリブルで持ち込み、GK杉山力裕の逆を突くシュートを左サイドネットに突き刺した。

 ゴールを決めて、ゴール裏のサポーター席へ走って行った村田は「そのときは興奮して、何がなんだかわからなかったです。フェンスも倒れたくらいですからね。でも、それだけサポーターも勝ちたかったと思うし、欲しかったゴールやったと思うので。本当にみんなの気持ちが集結したゴールだったと思うし、これで勝ち切れたこと、勝ち点3を加えられたことが、残留に向けて本当に大事だと思います」と、歓喜の瞬間を振り返った。

 同時刻に行われた広島対大宮がドローに終わり、清水は大宮を抜き、15位に浮上した。だが、まだ気を緩めることはできない。残り3節に向けて、村田は「死に物狂いで戦っていかなアカンと思います」と言い、「今日みたいな試合をみんなが再現できるようにすればいいと思います。それは選手だけじゃなくて、サポーターも」と、チームメイト、さらにサポーターにも、この日のような戦い方を続けていよう、と呼びかける。

「今日、ここに着いて、(試合前)サポーターの前に整列したとき、鳥肌が立ちました。それくらい、応援がすごかった。そういうのも大事なこと。昨日も、クラブハウスにみんなの寄せ書きが書いてあった横断幕が掲げられていて、サポーターの気持ちが、ほんまに選手を奮い立たせた。本当に感謝したいし、みんなで勝ち取った勝利。こういう試合を継続していけば、エスパルスは絶対にJ2に行かないチームだと思うので、みんなで良い声を掛けてやりたいし、こういった中で、自分も救世主になれるようにしたい」

 川崎F戦の救世主となった男は、J1残留の救世主となるべく、残り3試合も戦い続ける。
(取材・文 河合拓)
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