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[MOM1181]中津東DF松永康汰(2年)_中津東最終ラインの“掃除屋”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.1 全国高校選手権大分県予選準々決勝 中津東高 2-1 大分西高 中津市営サッカーグラウンド]

 中津東高は本来4バックシステムで戦ってきたチームであったが、この日の試合では大分西高が誇るFW河邉駿太郎(3年)、FW宗太海(2年)の強力2トップを封じるべく、マンツーマンディフェンスの戦法を選択。そのため、変則的な3バックシステムで大分西に挑んだ。本来はボランチであるDF河野史勇太(3年)を最終ラインに落とし、CB山田大雅(2年)とダブルストッパーを形成させた。そして、この試合ではさらに後ろで“掃除屋”の役割を担ったのが、背番号7を背負うDF松永康汰(2年)だ。
  
 昨年度の選手権には1年生ながらボランチとして出場を果たし、今年も大きな役割を担う事を期待されていた。「去年の選手権ではボランチとしてずっと出ていたのですが、今年はCBとして落ち着きました。本来はボランチで使ったほうが面白い。ただ、ちゃんとボールが蹴れますし、パスも繋げてカバーも出来る」と、松田雄一監督が語るように、今年はボランチではなくCBのポジションを与えた。そこに関して本人は「ボランチのほうがやりたい」と語るが、今日は「カバーに行くタイミングや、セカンドボールへの対応を特に意識しました」という守備で相手攻撃陣を封鎖。その姿はまさしく“掃除屋”に相応しいプレーだった。

 ただ、そのカバーリングのタイミングは自分の課題となっている部分でもある。課題を補うべく、取り組んだのが全体練習後の自主練だ。当然1人では出来るものではないので、仲間にも一緒に残ってもらい、いつも1時間ほどトレーニングを積んで来た。その成果は目に見える結果として現れてきている。

 課題を改善するに当たって、中津東サッカー部OBだった父の存在も大きかった。父の現役時代のポジションは松永と同じCB。試合が終わり、自宅に帰るとビデオを見ながら、カバーリングのタイミングなどのアドバイスを受けているという。中津東に入学する決断をしたのは、選手権に出場していたチームという理由もあったが、OBだった父の影響を大きく受けている。この日の試合も父は見に来ていたということで、「帰ったらまた何か言われそうです」と笑顔で話すその表情には親子の信頼関係が垣間見えた。
 
 3年連続で選手権出場を目指すチームあって、松永の存在は欠かせない。チームメートと父親の支え。ふたつの支えがあるからこそ今の自分がある。昨年の悔しさを晴らすためにも残り2試合を勝ち切り、全国の舞台へと歩みを進める。

(取材・文 松尾祐希)
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