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[MOM1182]浦和東GK豊田駿(3年)_川島に憧れて入学した控えGKの意地

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.2 全国高校選手権埼玉県予選準々決勝 正智深谷1-1(PK3-4)浦和東 駒場]

 何度も何度もこぶしを突き上げた。GK豊田駿(3年)はPK戦の1人目をストップすると、リードされて迎えた3人目のPKも止めてタイに戻す。「PKは練習しているので得意なんです」。サドンデスに突入して1人目も失敗に追い込んだヒーローは、得意げに胸を張った。

 控えGKの見せた意地だった。この日は正GKの稲葉幸太が欠場。代わりに選ばれたのは、公式戦の出場は「S1リーグの前半戦以来、高体連の大会では新人戦以来」と話す豊田だった。起用理由について鈴木豊監督は、「今日はシュートがたくさん飛んでくると思った。ウチの3人の中でシュートへの反応が一番いいのは豊田だった」と説明。ただ理由はどうであれ、豊田は何よりも指名されたことを意気に感じていた。

 浦和東でGKと言えば、OBの日本代表GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)が浮かぶ。豊田も例にもれず「川島選手を目標に入りました」。憧れの先輩顔負けの雄叫びは、駒場スタジアムに響き渡っていた。

「総体で負けて強くなろうと話してきた。選手権にかける気持ちは強いんです」。サッカー人生は高校で一旦、ピリオドを打つつもり。それだけに今大会にかける思いは人一倍強い。「気合が入っていました。個人的にこの試合にかけていた思いは強かったので、勝てて良かったです」。チームは再び全国の舞台で輝くため、もちろん豊田自身も鯉の一跳ねで終わらせるつもりはない。

(取材・文 児玉幸洋)

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