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[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.13]水橋高FW北野剣士浪(3年)

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DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」 
[11.2 全国高校選手権富山県予選決勝 高岡一高 0-0(PK3-4)水橋高 高岡スポーツコア]

 第93回全国高校サッカー選手権の富山県予選決勝は、両チーム無得点のまま後半に突入した。「攻める水橋、守る高岡一」の展開が続く中、水橋高のFW北野剣士浪は、後半13分に攻撃活性化の切り札として最前線に投入された。ピッチへ入ると、スタンドから「猪突猛進、北野剣士浪」と応援コールが響いた。まさに言葉のままだった。北野は精力的に相手の背後へ走り、ボールを受ければとにかくゴールへ迫った。後半22分、左から混戦を抜け出してシュート。後半28分、右サイドで抜け出して縦パスを誘うとクロスを供給。延長後半にはMF吉松和貴のパスを受けてフィニッシュを狙ったが、相手GKの好守に阻まれた。結果的にゴールは奪えなかったが、チームの攻撃活性化という役割は十分に果たした。上田裕次監督は「彼は、機動力がある。スペースへの飛び出しをベースにして、サイドに流れて起点になって、もう一度ゴール前で絡んでいくプレーができる選手。ほかの選手がボールを持ちやすい状況を作ってくれる。見た感じは結構派手なんだけど、しぶくて効果的なところをやってくれる。今日はシュートの場面で決められなかったという課題はあったけど、攻撃の活性化という意味では良い仕事をしてくれた」と北野の働きを称えた。

 試合はPK戦の末に水橋が勝利。ここまでの歩みは、北野にとって夢のようなストーリーだった。魚津FCのU-15世代のチームであるUFC-UBに所属していた中学生時代、気の合うサッカー仲間と密かに、共同プランを計画した。当時の話を明かしたのは、今ではチームメートとなったMF吉川育良(黒部FC出身)だ。吉川は「県トレセンの仲間だったけど、スクエア富山とかFCひがしという強いチームの選手たちのグループに溶け込みきれなかった人たちで集まったような感じだった」と笑う。集まったのは県北東部の選手たちだ。所属チームは違ったが、地元が近くて休日には一緒に遊びに行ったり、ボールを蹴ったりする仲だった。富山県では、前回大会で全国優勝を果たした富山一高が最も有名な強豪校だ。リーグも最高峰のプレミアリーグに所属。県トレセンの多くの主力も富山一への進学を目指した。そんな中、北野や吉川たちは「水橋に行って、富山一を倒して全国に行こう」と、あえて県内第2勢力の水橋をみんなで希望して入学してきた。

 元々、県内の上手い選手が集まっていることは分かり切っていたが、富山一の壁は予想以上に厚く、先を越される日々が続いた。しかし、最高学年で最終決戦となる選手権予選では準決勝で富山一を撃破。さらに決勝戦でも今季の高校総体予選決勝で敗れた高岡一にリベンジを果たして富山の代表校の座を射止めた。北野は「一高(富山一)を倒したときは、夢みたいだと思った。中学の時は一高が一番強いと思っていた。水橋に来て本当に倒したいと思っていたから、嬉しかった」と笑顔を見せた。調子がよく、やんちゃ坊主な雰囲気は、いまも抜けない。中学時代は、試合でもボールを持ってゴールへ突進するばかりだったという。それでも、高校生活の中で部室の整理などをうるさく言われるうちに「最初は騙されたと思ってちょっとやってみたら、チームが勝ち始めた。部室の整理でできていないところを気付いた人から指摘するようにしていたら、サッカーの中でも指摘をし合えるような仲間になっていた。僕自身も自分のことばかり考えていたけど、仲間やチームのために何ができるかと考えるようになった。だから、以前は先発だったのに最近は途中出場が増えているけど、今は優勝できるならベンチスタートでも構わないと思っている」と話すように変わっていった。

 アグレッシブにゴールを狙うだけでなく、チームのために走れる、戦える、我慢ができるアタッカーへと変ぼうを遂げた北野は、中学時代に友だちと描いた夢をかなえ、次のステージに挑戦する。全国大会に向けては「今日は同点だったから、シュートを打って決めてやろうと思って入った。スピード感のあるプレーが特長だけど、まだ活かしきれていないから点が取れない。初めての全国大会は緊張すると思うけど、点を決めてチームに貢献したい」と抱負を語った。高校サッカーの最終章には、どんなドラマが待っているのだろうか。

(取材・文 平野貴也)
 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
 そして今回、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画がスタート! 各地の高校世代のゲームの中から、毎週つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!

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【特設】高校選手権2014

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