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遠藤&今野がダブル復帰!アジア杯へ向け“現実路線”

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「サッカーで重要なのは質。年齢ではない」。ハビエル・アギーレ監督の声が会見場で重厚に響いた。

 結果が問われるアジア杯前の最後の親善マッチ2試合。指揮官が新たに選んだのは34歳のMF遠藤保仁と31歳のMF今野泰幸。G大阪が誇る円熟ボランチコンビだった。

「遠藤も今野も経験豊富な選手だ」。アギーレ監督が言うとおり、W杯に3大会連続で選ばれている遠藤の代表キャップ146は日本歴代最多。今野もW杯2大会を経験しており、今回のメンバーでは遠藤に続いて2番目に多い83試合に出場している(FW岡崎慎司も83試合に出場)。文字どおり、百戦錬磨の経験値だ。

 だが、招集された理由はそれだけではない。「今季、2人は素晴らしいシーズンを過ごしている。所属チームの中だけでなく、その試合のベストプレーヤーになったりしている。年齢を考えたとしても、非常に力強い、良いフィジカルコンディションであることで分かる」

 アギーレ監督が絶賛するように、W杯以降のG大阪は13勝2分2敗という圧倒的な強さで現在2位。降格圏に低迷していたところから優勝争いするまでにジャンプアップしており、充実の日々を過ごしている。

 ベテランコンビの加入は、“即戦力”としてはもちろんのこと、新顔の多いアギーレジャパンにとって副次的な効果も期待できる。指揮官は「柴崎(岳)や田口(泰士)ら、代表のキャリアをスタートさせている選手たちの力になれると思う。良いプレーとアドバイスで、彼らの力になれる」と期待を込めた。

 ポジションとしては2人とも中盤で起用されることが濃厚だ。「中盤の3つのどのポジションでもプレーできると思う」(アギーレ監督)と評された今野は、4-3-3ならアンカーとインサイドハーフで構想に入っている。特にアンカーで使われれば、潰しからパスのつなぎ、展開までこなせる適役だ。

 司令塔タイプの遠藤は9、10月の4試合で物足りなかったゲームコントロールの部分で大きな役割を担うことができる。また、柴崎と同時にピッチに立つことがあれば新たなハーモニーが生まれるかもしれない。

 そして何より2人には“計算が立つ”という魅力がある。優勝を目指すアジア杯を2か月後に控え、アギーレ監督が現実的な選考にシフトしてきた。

(取材・文 矢内由美子)

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