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日本代表メンバー発表、アギーレ監督会見要旨

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 日本代表のハビエル・アギーレ監督は5日、都内で記者会見を行い、14日のホンジュラス戦(豊田ス)、18日のオーストラリア戦(ヤンマー)に臨む日本代表メンバーを発表した。

ハビエル・アギーレ監督
「アジア杯に向けて選手たちを見る最後の機会になる。私が初めて直に見る新たなメンバーを呼ぶことができたのもうれしい。(対戦相手は)我々の良いプレーを要求される相手だと思っている。ホンジュラスは日本戦でもベストを尽くすだろう。オーストラリアはアジア杯で当たれば、勝たないといけない相手。最終リストをつくるために重要な2試合になる。もちろんホームでプレーするので、勝たないといけない」

―遠藤、今野というベテラン2人が復帰したが? 今野はMF登録だが、アンカーで考えているのか?
「サッカーで重要なのは質であり、年齢ではない。遠藤も今野も経験豊富な選手たちだ。そして今季、素晴らしいシーズンを過ごしている。毎週末、自分のクラブの中だけでなく、ゲームのベストプレイヤーになる2人だ。年齢を考えたとしても、非常に力強い、フィジカルコンディションの良い状態が見える。そして、彼らのいいプレーとアドバイスで、柴崎や田口のように代表のキャリアをスタートさせている選手たちの力になってくれると思う。今野はMFだ。今シーズンを通して遠藤と2人でダブルボランチを組んでいる。そのポジション、MFのポジションとして彼を呼んだ。中盤の3つのどのポジションでも彼はプレーできると思う」

―川島はクラブで出番がない。自信を失っているのではないかと心配ではないか? 東口を呼んだ理由は?
「川島はベルギーでここ5年ぐらいずっとレギュラーとしてプレーしていた。ここ数試合は出ていないが、だからといってコンディションが悪いとは限らない。西川も素晴らしいシーズンを過ごしている。自分のクラブで優勝が目前の状況だ。東口もずっと上位を走っているG大阪のキーパーで、失点の少ない安定したシーズンを過ごしているので、彼も直に見たいと思った。このポジションは権田も含めて、私は落ち着いて見られるポジションだと思っている」

―内田がW杯以来の復帰となったが、霜田委員長は内田とどんな話をしたか。また、アギーレ監督が内田に期待することは?
●霜田正浩技術委員長
「(内田)篤人がW杯のあとにどういう思いを持っていたか、新しい代表が始まって、その代表に対してどういう思いを持っているのかというのは内田本人の口から聞いてもらえればいいなと思う。僕らは新しい代表が始まって、内田の力が必要だと。監督は『是非、内田を呼びたい』という話があったので、その監督のメッセージを伝えた。試合もずっと出ているし、コンディションを確認したうえで今回の招集の運びになった」

●アギーレ監督
「内田に期待することは、今まで彼がシャルケでやってきたこと、そして日本代表でやってきたことだ。非常に安定した選手で、フィジカル的にも強い。戦えるし、テクニックの質が高い選手。W杯のあと、シャルケで試合に出なかった時期があるのは確かだ。しかし、ここ1か月、1か月半ぐらいはコンスタントにフルで試合に出ている。そのポジション(右SB)で何人かの選手を今までも試してきたが、彼が彼の経験や質の高さを加えてくれればと思う。松原のようなまだ代表に出場していない選手もいるので、彼らにとっても良いアドバイスをもらえる存在になればと思う」

―今回の2試合はテストではなく、本番を見据えた試合になるのか?
「私の中で1点、2点、もう少し考えないといけないポジションがある。チームのベースは私の頭の中にでき上がっている。しかし、それがこのリストそのままというわけではない。アジア杯に向かっていく、そして優勝を目指して戦うチームのベースは頭の中にできているし、11月の2試合はしっかり勝利をおさめて、自信を持ってオーストラリアに行けるようにしたい」

―森重がDF登録に変更になったのは?
「ある選手があるポジションのスペシャリストであるというのは、現代サッカーではキーパーのことしか言えない。香川をFWで登録してもまったく問題ないと思う。守備ができるFW、例えば小林悠は守備ができるから、中盤に戻ってMFとしてプレーすることもできる。森重はセンターバックの右も左もできるし、その前の中盤の中央、ボランチもできると思っている。登録がMFなのかDFなのかというは私にとってさほど重要ではない」

―合宿冒頭の数日間、メキシコの式典に出席するため不在になるということだが?
「まず(日本サッカー)協会の許可の下、今回、少し代表を離れることになった。自国で認められるというのは私にとって光栄なことだ。サー・アレックス・ファーガソン、ルイス・メノッティたちとともに今回、認められた。代表合宿の準備はすべてできている。11日、12日のトレーニングに私は参加しない。チームが集合したときにはいるし、13日の公式練習のときもいる。スチュアート・ゲリングがトレーニングの指揮を執る。そこで問題が起こらないように、もうすでにすべて話し合っている」

―FWに豊田が入ったが、彼に期待することは?
「彼は違ったものを代表に持ち込んでくれると期待して呼んだ。豊田はパワフルな選手だ。空中戦に強い。岡崎とまた違った特長を持っている。違った攻撃ができるので、代表の攻撃がより豊富になると思う。Jリーグで15得点決めている。だから呼ぶべき選手だと思う。実際、ゲームで見ても、彼は非常に誇りを持って、正直なプレーをする選手だと思った。この2試合で力になってくれればと思う」

―10月のブラジル戦では新しい選手を試したが、ホンジュラス戦、オーストラリア戦で意味合いが違う部分はあるか?
「ブラジル戦ではJリーグの7人の選手を試した。今まで彼らがプレーしてきたものとはまったく違うレベルのゲームを体験してもらい、そこを見たかった。前半は最初の失点までは非常にいい形で対等に戦えていたと思う。2失点目のあとは交代もあり、チームの形が少し崩れたかもしれない。しかし、ブラジルは常にブラジルであって、何かをする余地を与えてくれない。この2試合は何かを試すわけではない。勝ちに行く試合だ。アジア杯のことを考えながらそうしたいと思っている」

―9月の合宿で途中離脱した長谷部に期待することは? キャプテンは本田のままか?
「最初の合宿で(長谷部)誠は膝に問題があったので、ドクターと話し合ってクラブに戻すことを決定した。毎週、フランクフルトのゲームはチェックしているが、高いレベルを維持できていると思う。肉体的な問題はすでに解決できていると思う。だから今回呼んだ。キャプテンに関しては、全員がそろったところで決めたいと思う」

―当初から11月の2試合は勝負にこだわる位置づけだったのか?
「今までの4試合だが、対戦相手がウルグアイやブラジルだったので、勝つのは難しいというゲームだった。トレーニングの日数が少ないということ、相手のレベルが高いということがあった。今は日本に来てから3か月が経ち、選手のこともよりよく知り、Jリーグのこともよりよく知っている。W杯に出場しているホンジュラスやオーストラリアと戦い、レベルの近いチームに勝てるという考えに至った。ベネズエラ戦のドローの形を見れば、なぜ勝てなかったのかはみなさんお分かりだと思う。ジャマイカ戦では明らかに日本が相手を上回っていた。いい方向に進んでいると思う」

―アジア杯に臨む23人のうちどれぐらい固まってきたのか? 1点、2点考えないといけないポジションというのは?
「アジア杯のチームの80%、90%は決まっている。ただ、サッカーでは逆境もある。例えばケガ、あるいはシーズン。Jリーグは12月初旬に終わり、欧州ではまだプレーし続けている。休暇の時期なども考慮しながら考えないといけない。AFC(アジアサッカー連盟)には予備登録50人のリストをまず送らないといけないが、そこで間違ってはいけないと思っている。かなり早い段階で23人も決めないといけないので、それぞれのクラブをしっかり見ていないといけない。

 いくつか考えないといけないポジションがあると言ったが、それは特定のポジションのことではなく、複数のポジションがこなせる選手を探すということだ。例えば(酒井)高徳は右でもプレーできるし、左でもプレーできる。森重もいるし、小林悠も自分のチームでセンターフォワードでプレーしたり、中盤の右でプレーしたりしている。そういうところでいいプレーをして、13得点決めている。代表でもいいプレーを見せている。そういった複数のポジションをプレーできる選手を今、探している」

―乾に期待していることは? 細貝が呼ばれていないのは彼の実力は分かっているから今回はあえて外したのか?
「乾はスタートで少し苦しんだが、今はドイツでコンスタントに出ているので、代表招集に値する選手だと思った。高徳は最近、何試合か出ていないが、安定してプレーしていた。招集していない選手についてはあまり発言したくないが、今まで呼んだことのある選手なので、例外的に細貝のことを話すが、彼のことは直に見て、よく分かったということだ」

(取材・文 西山紘平)

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