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[MOM1192]習志野DF佐古大輔(3年)_「全国の悔しさは全国で」帰ってきた闘将

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.2 全国高校選手権千葉県予選準々決勝 習志野高 1-0 東京学館高 東総運動場]
 
 夏の千葉王者・習志野高に頼もしい男が返ってきた。この日、習志野は我慢の試合展開。GK松田健太郎の好守やエアバトルを戦いぬいた高林剛士西村慧祐らの奮闘や交代出場で決勝点を決めた米田悠斗の活躍も光った。苦しい展開の中、各選手が役割を全うして手にした白星。その中で砂金伸監督は、考え抜いた末に「やっぱり佐古ですかね」と右サイドで戦い抜いたチームの柱、右SB佐古大輔主将(3年)をマン・オブ・ザ・マッチとして推した。

 佐古は夏の全国高校総体で負傷して直後に膝を手術。長期離脱した主将はまだ復帰したばかりで、この日が総体後初となる先発出場だった。チームに対する思いの強い主将は不在で迷惑をかけた分を取り戻そうと身体を張っていた。160cm台と小柄だが、闘将は相手のロングボールを何度も頭で弾き返し、身体を張ったディフェンスで相手のチャンスを潰した。そして持ち味である右サイドからのオーバーラップ。タッチライン際から斜めに切れ込むドリブルで東京学館の懐へ潜り込んで相手DFにプレッシャーをかけた。ただ本人は「まだまだです。悔しかったです。今の100パーセントは出しましたけれど。アジリティの部分で自分の持ち味にしているスピードをなかなか出せない」と唇を噛んだ。「現時点の100パーセント」でも十分に相手を苦しめ、チームを引っ張っていた印象だが、本人にとっては満足には程遠い内容だったようだ。

「もっとスピードで勝負するタイプだと自分は思っている。次の試合は100パーセント出せるようにするので、楽しみにしてもらえれば」。責任感の強い佐古はこの日の雪辱を宣言した。よほど悔しかったのだろう、笑顔はわずか。ただ全国屈指の実力派SBは「悔しかった」この日の分まで準決勝、決勝で大暴れするはずだ。「夏、全国で0-3で負けて相当悔しい思いしましたし、その思いは絶対忘れていないです。『全国の悔しさは全国で』、と思い続けてきたので、目標は千葉県で優勝して全国に出ることです」。夏の悔しさも込めた戦い。そのスピードで強敵たちの壁を突き破り、全国舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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