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[選手権予選]シュート24本で1得点・・・、宮崎大宮に苦戦も日章学園が4強進出:宮崎

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[11.3 全国高校選手権宮崎県予選準々決勝 宮崎大宮高 0-1 日章学園高 宮崎県総合サッカー場]

 第93回全国高校サッカー選手権宮崎県予選準々決勝が3日、宮崎県総合サッカー場で行われた。昨年度全国大会ベスト8の日章学園高が宮崎大宮高に苦戦しながらも、後半の1点によって1-0で勝利を収めた。
 
 日章学園は早稲田一男監督が「1週間くらい(プレー)をやらせていなかった」と説明したように、九州屈指のストライカーFW村田航一主将(3年)が怪我の影響でベンチスタートとなり、数名の主力も温存させていた。
 
 それでも、序盤からダブルボランチのMF西郷瑠人(3年)、MF野崎悠(2年)を中心に攻撃を組み立てると、この日は本来のトップ下ではなくサイドで起用された左MF竹脇雄大(2年)と前の試合ではSBで起用をされていた右MF谷口智彦(3年)に展開し、攻撃の形を作っていった。前半19分にはMF中山尚英(2年)がクリアボールのこぼれ球に反応してゴールを狙うも枠の外。前半のほとんどを相手陣内で過ごしたが、CB甲斐浩太郎(2年)、CB齊藤慎吾(2年)、CB板垣勇斗(2年)を中心とした5バックで挑んだ宮崎大宮を前に決定的な場面を作ることができない。31分には谷口がPA内で相手を2人交わして決定機を迎えるもGK木村純(2年)の好セーブに阻まれて得点とはならず。攻撃が噛み合ないまま前半をスコアレスで終えた。
 
 日章学園は「コンディションがあんまり整っていないので、できれば使いたくなかった」(早稲田監督)という村田と左サイドハーフを務めるMF河野翔太(3年)の主軸2人を後半開始から投入。すると、この2人がいきなり結果を出す。12分、河野が左サイドでボールを持ち上がり、中へと折り返すと、中央で相手のマークを外してフリーになった村田が頭で決めて待望の先制点。前半から攻め込みながらも奪えなかった得点を途中交代の2人で取ってみせた。

 これで攻撃のエンジンが掛かるかと思われたが、日章学園はその後も決定力を欠く。15分に竹脇が中央を突破してGKと1対1になるが、木村の身体を張ったブロックに阻止されて追加点を奪えない。20分には途中出場のMF藤堂貴久(3年)が右サイドからクロスを入れるが、村田が決め切れない。すると、25分過ぎから、中途半端に中盤でボールを失う回数が増え、宮崎大宮にカウンターを浴びる場面が増えてくる。29分には左クロスから、途中出場のFW福元心悟(1年)に決定機を作られてしまう。宮崎大宮は37分にもMF甲斐友基(2年)の右CKから福元がマイナスのボールを入れると、途中出場のMF長友崇磨(1年)が右足で合わたが、これは日章学園GK松井朝輝(2年)が好セーブ。予想外に苦しんだ試合となった日章学園ではあったが、何とか最後まで守り切り順当に準決勝へと勝ち進んだ。

「(後半に)ようやく1点が取れて、ホッとしてしまった感じですよね」と、早稲田監督は24本ものシュート放ちながら1点しか奪えなかったチームに対して険しい表情を見せていた。試合後、指揮官が叱咤激励をしていたほど、この日の内容には不満が残る。前半からバイタルエリアまでボールを運べてはいた。しかし、相手を崩すところまではいかず、シュートを打たされて終わるシーンが目立った。後半17分に正ボランチの藤堂を投入した事で、相手のギャップをつくパスやサイドチェンジから攻撃の流れが生まれたが、得点を奪うまでには至らなかった。「ここからは決め切れるチームは勝ち残っていく」早稲田監督の言葉通り、準決勝以降は決め切ることができなければ、勝つことは難しい。この日の反省を次に活かすことができるか。今年は新人戦、総体予選ともにライバル・鵬翔に敗戦。無冠のまま終わる訳にはいかない。

(取材・文 松尾祐希)
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