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[選手権予選]潰し役として、かじ取り役として、前橋育英のエース番号「14」背負う鈴木が快勝に貢献:群馬

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[11.3 全国高校選手権群馬県予選準決勝 前橋育英高 4-1 桐生一高 前橋総合]

 前橋育英高のエースナンバー「14」を背負うU-19日本代表MF鈴木徳真主将(3年)は、山田耕介監督が「仕事やっていたんじゃないですか。ちゃんと芽潰して」と評価する80分間。試合を決める実力も十分に備えるボランチだが、自身は一歩引いた位置でチームの舵をとり、フォア・ザ・チームに徹して快勝に貢献した。

「こぼれ球が相手の攻撃のリズムになっているのが分析で分かっていたので、ボランチのところでしっかり拾うようにという指示できょうの試合に臨みました」と鈴木。縦に速い試合展開の中で、鈴木は強度の強い当たりで相手のボールホルダーを潰し、こぼれ球を回収、そして得意のインターセプトでも相手の勢いを削ぐ。また、身長170cmほどながらもヘディングの強さを発揮。そして一瞬試合が落ち着いたかと思えば、長い距離のランニングで最前線まで飛び出して決定機に絡んだ。

 決定的なシーンで決めきることができなかったことを苦笑いしていた鈴木だが、そのランニングについて「全体に足が止まってきたシーンが少しあったと思うんですけど、ボランチが止まって受けるシーンだったり、相手が前がかりになって後ろにスペースが空いているシーンがあるときは、FWにボールが当たって収まるのでそのシーンでは横のスペースへ走り出そうと思っている」と説明。中盤でボールを確実に繋ぐ一方で自ら槍となって切れ込む。そのタイミングがまた絶妙だった。

「何体何で自分たちが攻撃に傾いているのか」など試合の流れを読みながら、自身は最善のポジションを取り、SBのオーバーラップを自重させたりもしながら頭の中で試合を組み立てている。今年の前橋育英は鈴木にけん引されるように、チームメートも相手の嫌がることを徹底しながら試合をいい形で進めている印象だ。この日は「きょうは青柳、(渡邊)凌磨が2人とも上手く収めてくれたし、坂元、関戸が相手の嫌がるようにボールを持って行くシーンが見えたので、後ろから見ててそれが分かるんですけど、それがゲームのリズムをつくったというか、ボールを収めてサイドで嫌なボールの持ち方をすることで相手のSBが困っているシーンが見えた。それがいいシーンに見えました」と鈴木。個々の実力の高さに加え、試合を自分たちでいい方向にコントロールできる強みがある。その中心に鈴木がいる。「オレだけじゃなくて応援してくれるみんなもいたし、いい観客の後押しもあったので、みんなが一致団結すれば必ず勝てると思っています」。8日の決勝でも頭脳と強さは揺るがない。

(取材・文 吉田太郎)
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