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[MOM1202]前橋育英GK吉田舜(3年)_流れ引き寄せたビッグプレー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.8 全国高校選手権群馬県予選決勝 前橋育英高 4-1 前橋商高 正田スタ]

 開始早々のビッグプレーがチームにぐっと波を引き寄せた。開始早々の5分、左CKからの展開で、左サイドからクロスが上がる瞬間、前橋育英高GK吉田舜(3年)は冷静にポジションを移した。

「相手の9番(堀友樹)はニアが強いので、ニアに飛び込んでくると思った」とニアサイドに警戒を強めてポジショングを取ると、予想通り、ニアの堀にクロスが届いた。ライナー性のクロスを堀が僅かに触ってコースを変える。スピードあるボールは容赦なく前橋育英ゴールに襲いかかったが、吉田が伸ばした左手でセーブ。こぼれ球にMF堀口護が飛び込むと、すぐに体勢を立て直して、堀口のシュートをブロック。さらにこぼれたボールを懸命に左手を伸ばして、強引に押さえつけるようにキャッチをした。このとき、2人の選手がさらに詰めており、2度のビッグセーブと、最後のリカバーが無ければ、1点もののシーンだった。

「ベストなポジショニングを取ることができたし、後は自然と身体が動いた」。このプレーでリズムを掴むと、その後は安定したハイボール処理を見せ、4-0で迎えた後半27分には交代出場のFW金枝晃平と1対1になるが、金枝のシュートをスーパーセーブ。31分の失点のシーンも、ゴール前の混戦からヘッドを打たれたとき、進路に相手選手がいたにもかかわらず、軽やかなステップでそれを交わし、横っ飛びから左手一本でボールを搔き出した。惜しくもボールはゴールラインをギリギリ割っており、判定はゴール。それでも、ボールに触れることすら難しいシーンで彼は素晴らしい動きを見せた。

「シュートストップとハイボールをずっと磨いてきた。(準決勝の)桐生一戦ではハイボールで負けなかったし、今日はシュートストップがうまく出来た。あの立ち上がりのシュートが入っていたら、もしかしたらもっと違う展開になっていたと思う」。コツコツと積み重ねた成果が重要な2試合で発揮された。準決勝、決勝と続けての4-1の快勝の裏には、守護神が見せた大きな自信があった。

(取材・文 安藤隆人)
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