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[Jユースカップ]底力見せた大分U-18、奮闘・甲府U-18を下して8強進出!

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[11.8 Jユースカップ2回戦 甲府U-18 0-1 大分U-18 中銀スタ]

 11月8、9日、Jユースカップ2回戦が全国各地で開催された。山梨中銀スタジアムでは8日、初の8強入りを目指す地元・ヴァンフォーレ甲府U-18と、今年のプリンスリーグ九州1部で独走優勝を飾った大分トリニータU-18が激突した。

 甲府側の積極的な告知が実施されたこともあり、多くの観衆を迎え入れた中銀スタジアム。小佐野一輝監督が「この会場でできるのは特別な経験」と語ったように、甲府U-18の選手にとっては“聖地”でのホームゲーム。自然と気持ちが入った選手たちが躍動し、「良いスタートで入れた」(同監督)。

 逆に「こんな完全アウェーの雰囲気、初めてでしたよ」と苦笑いを浮かべたのは、大分U-18のMF姫野宥弥。実際、チームの動きには序盤から明らかな硬さがあり、「想定はしていたが、やはり立ち上がりは悪かった」と、かつてトップチームでガッツと知性を兼備した名DFとして活躍した山崎哲也監督も認める入りの悪さとなった。

 この時間帯にこそ甲府の勝機はあったのかもしれない。10番を背負うFW遠山拓民を核として、大分守備陣を何度も脅かした。ただ、大分・山崎監督が「今年のチームは崩れないんですよ」と胸を張ったように、この時間帯を全体の守備で踏ん張ってしのぐと、「我慢比べなら負けません」(同監督)という拮抗した展開に持ち込むことに成功した。

 後半、甲府は当日が大学入試だったMF小林岩魚を投入。「ずっとこのチームを支えてくれた選手」(小佐野監督)の登場で士気は上がったが、大分側も雰囲気に慣れて「本来のサッカーができるようになった」(姫野)。こうなってくると、地力の差も見え始める。ボールをしっかり保持して動かしつつ、奪われたボールには猛然と近くの選手がアタックして早期に奪還する。DF甲斐慎也など後方から攻撃に関わる選手の動きも効果的で、ジリジリと甲府を追い詰め始めた。

「やはり大分さんは別格。夏もそうだし、G大阪ユース戦も観させてもらいましたが、本当に強い。上手いだけじゃなく、ハードワークもあれだけできるチームなんてそうはない。選手たちの消耗は相当だったと思うし、あれだけ足がつる選手が出ることなんてないですよ。『すげーな、大分は』と思わされました」(小佐野監督)

 66分、大分は負傷明けのU-19日本代表MF坂井大将を投入。「あいつが入って一個前でテンポを変えられるようになった」(姫野)大分の攻勢は40分に実る。中央でボールを持った坂井が溜めて右に展開すると、右サイドを疾駆した戸高裕登が高速クロスを折り返す。これがDFに当たってオウンゴールとなり、そして決勝点となった。

 内容的には甲府の頑張りが際立つ一方で、得点源のFW吉平翼、守備の要のDF佐藤昂洋など複数の負傷者を抱えながらも勝ち切った大分の底力を感じさせるゲームとなった。大分・山崎監督は「やるからにはどのチームにも負けたくない。一番上を目指す」と力強く優勝を宣言。姫野も「ここまで来たわけですし、もちろん優勝を狙います」と続けた。確かに今年の大分には、それを狙うにふさわしいチーム力がありそうだ。

(取材・文 川端暁彦)
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