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[選手権予選]「期待の年代」佐野日大が4発快勝、矢板中央とのリベンジマッチへ:栃木

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[11.8 全国高校選手権栃木県予選準決勝 足利工大附高 0-4 佐野日大高 栃木グ]

 第93回全国高校サッカー選手権栃木県予選準決勝が8日、栃木県グリーンスタジアムで行われた。一昨年の代表校で総体予選準優勝の佐野日大高は同ベスト4の足利工大附高を4-0で下し、決勝へと勝ち進んだ。

 準々決勝から先発メンバーを大きく入れ替えて臨んだ佐野日大だったが、「最初から点数を取りにいこう」と斉藤芳幸監督が試合前に声を掛けた通り、試合序盤から相手陣内へと攻め込む。

 佐野日大は、この試合でスタメンに抜擢されたMF石塚陽兵(3年)、MF本多孝至(3年)のダブルボランチと、トップ下のMF磯貝瞭を中心に中盤でボールを繋ぎ、右MF津布樂飛雅(3年)と左MF青柳淳耶(3年)がサイドアタックから攻撃の形を作る。さらに、左SB宇都木峻(3年)と右SB片倉佑基(3年)も高い位置まで攻め上がり、攻撃に厚みを持たせた。前半10分には津布樂の左CKをCB國西達也主将(3年)が頭で合わせる。これは右へと外れたが、相手ゴールをいきなり脅かした。すると、佐野日大は14分に、左サイドを駆け上がった宇都木がDFとGKの間を狙う絶妙なクロスボールを入れると、FW櫻田亮太(3年)が右足で合わせ、先制点を奪うことに成功。この得点で勢いに乗った佐野日大は、22分にも宇都木の右CKから國西が頭で合わせ、早い時間帯でリードを2点とした。

 一方の足利工大附は2トップのFW源田和輝(2年)、FW新井魁(1年)を軸にカウンターを仕掛け、前半で1点を取り返すべく攻撃を仕掛ける。29分には右サイドを突破した新井が右足でシュートを放つが枠の外。39分にもMF吉原隼加(2年)がゴール正面で得たFKを左足で直接狙ったが、GK五味田大輝(3年)の正面を付いてしまいネットを揺らせなかった。

 後半も佐野日大が試合の主導権を握る。12分には、CB渡邊裕次郎(3年)のパスに反応した青柳が冷静にループシュートを決め3点目。その後も中盤で素早くプレスを掛けてボールを奪うと、1トップに位置する櫻田のポストプレーから攻撃を組み立てた。23分には磯貝が左サイドから中央へと切り込み、右足でシュートを放つ。惜しくもこれは相手GK大美賀翔(2年)にセーブされたが、リードを広げても貪欲に得点を狙いにいった。


 何とか1点を返したい足利工大附は前半同様、カウンターから攻撃を仕掛けたが、相手守備陣を崩すことができず、時間だけが過ぎていく。39分には吉原が相手GKのポジションニングを見てハーフラインからゴールを狙うが、枠を外れてしまい、万事休す。

 アディショナルタイムに宇都木の右CKから渡邊が得点を挙げ4点目を奪った佐野日大が、2年生主体の足利工大附を寄せ付けず、決勝へと駒を進めた。

「先週のさくら清修高戦は相手が走るので、1点が遠かった」と斉藤監督が語るように準々決勝では苦戦を強いられた。しかし、この試合では序盤から積極的な試合運びを見せ、危なげなく白星を掴んで見せた。しかし、「(今年のメンバーは)期待をしている年代です」と指揮官が自信を持つチームは、夏の総体予選では決勝で矢板中央高に惜敗。今年に入って新人戦と関東大会予選で勝利を収めていた相手だけに、この敗戦はチームにとってショッキングなものとなった。

 それでも、夏の遠征で高体連の強豪校と30試合、大学生と10試合近くこなし、流通経済大に敗戦を喫した以外はほぼ勝利を収めてきたという。今年のチームが地力を有していることは間違いない。「全国に出られれば、上まで勝ち進むことができる。(攻撃で)押し切れてしまいます」(斉藤監督)というチームは決勝で再びライバル・矢板中央と激突する。全国舞台で一暴れするためにも、リベンジマッチを制す。

[写真]先制点を奪った佐野日大FW櫻田

(取材・文 松尾祐希)
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