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期待を背負う地元出身MF森、指揮官も「彼は富山の財産」

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[11.15 J2第41節 千葉2-1富山 フクアリ]

 現在のチームに2人しかいない富山県出身の選手だ。10年にカターレ富山に加入し、在籍5年目を迎えようかという今季、MF森泰次郎はJFLの佐川印刷SCへの期限付き移籍を決断した。そして、JFLに19試合出場して経験を積んだ22歳の若武者は、9月に富山への復帰を果たした。

「富山では試合にあまり出れていなかったので、自分から行かせてほしいと言いました」と移籍当時の気持ちを話した森は、「佐川印刷で社員の人と一緒に仕事をやらせてもらったことで、サッカーへの取り組む姿勢を学べたし、コーチの森岡隆三さんや監督の辛島啓珠さんから学ぶことは本当に多くて、いろいろなアドバイスが今に生きています」と佐川印刷で過ごした日々を振り返った。

 富山復帰後もなかなか出場機会をつかめなかったが、「今までは試合に出られないときにちょっとふてくされていましたが、佐川での経験でふて腐れることもなくなりましたね」と忍耐力がついたと笑って答える。すると、今季初出場となった千葉戦でスタメンを飾り、後半8分には鮮やかなスルーパスでFW宮吉拓実の先制点を演出した。自身は結果を残したが、チームは1-2の逆転負けを喫し、「良いゲームをしても勝ち切らないと…」と唇を噛んだ。

 森の活躍を、チームも期待している。チームを率いる安間貴義監督は、「強化部長と富山出身の良い選手を作りたいという話で時間をかけて育ててきました。今季は彼の意思もあり佐川印刷に期限付き移籍し、富山に帰ってきて、今日試合に出してみて、あのような素晴らしいパスを出してくれた。立派にプレーできたことは、来季J3に落ちますが、チームの一つの財産だと思います」と語っている。

 来季、チームは戦いの場をJ3に移す。だが「カターレは自分が高校のときにできたチームで、思い入れは強い。だから、1年でJ2に上げることしか今は考えられません」と富山の星として、チームとともに成長していくことを誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

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