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[選手権予選]昨年の悪夢を払拭すべく、國學院久我山が連続優勝!:東京B

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[11.15 全国高校選手権東京都Bブロック予選決勝 國學院久我山高 2-0 実践学園高 味の素フィールド西が丘]
 
 第93回全国高校サッカー選手権東京都Bブロック予選決勝は、堅い守備と効果的な得点でリードを守った國學院久我山高が同校初となる2年連続優勝(通算6回目)を果たした。
T1リーグ(東京都1部リーグ)王者・実践学園高も終始攻撃の形を作り続けたが、國學院久我山の堅守の前に1点が遠かった。

「美しく勝つ」を標榜する國學院久我山だが、今年の雰囲気は少し違う。都大会では4試合無失点。「堅い守備のなか、数少ないチャンスをものにしました。いつもの3バックではなく4バックにしたのは準決勝(東久留米総合戦)で機能したので、いいときは変えないで行こうと」(李済華監督)。

 今年度の國學院久我山は堅守がウリ。「準決勝も決勝も自分たちらしい、典型的なゲームができました。DFが強いのはわかっている。あとはDF陣がアクシデントを起こさないかどうか。これまでは自分たちが攻めてカウンターをくらっていた。今年度は逆。守りの局面でクリアするのか、つないで攻撃に転じるのか、その判断が難しいですが」。指揮官が絶大な信頼を寄せるバックがあることで、図太いチームになる。前半7分にMF鈴木遥太郎(2年)がシュートを決め、早々に先制したことでゲームの主導権を握れたことも多かった。

「自分たちの方が緊張していたということでしょう。相手は個もある。決まり事として中に入らせない、というのがありましたが入られてしまって失点した。先制されてからはいつもの形ができましたが、相手DFが堅く、崩せませんでした」と唇をかむのは実践学園・深町公一監督。実際、先制を許してから後は、実践学園が攻め込む時間が続いた。ボールは回り、ゴール前まで進出することはできる。しかし、なかなかフィニッシュまでたどりつけない。
「結果として前半に走らされすぎました。3バックで来てくれたら勝った、と思っていましたが、4バックで来られたのはその方が機能すると感じられたからなのでしょうか」(深町監督)。

「3バックだとサイドが突かれやすい。4バックであればクロスも上げられにくいですから」と試合後に語ってくれたのは國學院久我山キャプテン・DF内藤健太(3年)。久我山DFの核は百戦錬磨だ。「準決勝、決勝ともに攻め込まれる時間が多かったので逆になれていました。攻め込まれた方が安心できるというか、守りやすい」。彼とCBを組むDF花房稔(3年)に関しても李監督は「DFとしてパーフェクト」と太鼓判を押す。

 とはいえ1点リード。なにが起こるか分からない。後半に入っても展開は実践学園の攻勢。とどめを刺したのはFW飯原健斗(3年)の鮮やかなゴールだった。右サイドから切り返し、左足でのミドルシュート。「ゴール前にいくとちょっとしたアイデア、テクニックがある」(李監督)というのは相変わらずだ。

 この2失点目で「重みを感じすぎた」という深町監督。「2失点してから動き過ぎました。前線に人数をかけないと得点をできないと、CBを上げたり選手を代えましたが……。選手交代に関してはいつものパターンを変え、自分の直感を信じました。クロスを上げても簡単に崩せなかったのでドリブルできる選手を入れましたが……それも止められてしまった」。
悔しさと、ふがいなさもあったのか、涙を流した。

 悔しさと、ふがいなさといえば國學院久我山も同様だ。タレントをそろえ、優勝候補と言われて臨んだ昨年度の選手権開幕戦。国立競技場の大舞台で熊本国府(熊本)相手にロスタイムで失点し1-2でまさかの敗戦。「昨年度は自信があったのでまさか、という敗戦でした。でもそれが勝負事。今年はわかっている。つねに緊張感を持って戦えているし、一戦一戦、しっかりできる。ポテッとは負けないですよ」。李監督の笑いには不敵さがにじむ。これまでとは違う「エレガントな守備」で昨年の忘れ物を取りに全国の舞台へ戻る。

 劇的な開幕戦敗戦。そして初となる2年連続出場。もしこれでまた開幕戦を戦うことになったら……。なんとなく、國學院久我山にドラマチックな物語が生まれそうな予感がしている人は少なくないはずだ。

(取材・文/伊藤亮)
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