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[選手権予選]終始主導権を握った高川学園、通算22回目の全国へ:山口

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[11.16 全国高校選手権山口県予選決勝 高川学園高 3-0 聖光高 維新百年記念公園陸上競技場]

 第93回全国高校サッカー選手権山口県予選決勝が16日に行われ、高川学園高が3-0で聖光高に勝利。3年ぶり、旧校名の多々良学園高時代からの通算で22回目となる全国大会出場を決めた。

 昨年度までは系列の高川学園中サッカー部監督で、今年度から高川学園高を率いている江本孝監督は、試合後に「相手も素晴らしいチームなので、厳しい戦いを予想していましたが、選手たちの集中力が良い方向に出たと思います」と振り返った。その言葉通り、終始主導権を握った高川学園が、危なげのない戦いぶりで聖光を下し、3年ぶりの選手権出場権を手にした。
 
 試合は立ち上がりから、高川学園がボール支配率で大きく上回り、自陣深く引いて守りを固める聖光を押し込む。序盤はCB石田皓大(3年)が繰り出すサイドチェンジなど、ロングパスを多用した攻めを見せていたが、15分過ぎからはショートパス主体に切り替え、中央から両サイドまでを幅広く使って聖光守備陣を揺さぶった。
 
 聖光はゴール前をしっかり固めて対抗したが、ボールを奪っても、攻撃から守備への切り替えが速く、すぐにボールホルダーを囲い込む高川学園の守備の前に、なかなか敵陣までボールを運ぶことができない。聖光の山本秀和監督が試合後に「高川学園は、攻守の切り替えも、プレッシャーも、何もかもが速かった」と振り返ったように、苦しい試合展開が続いた。
 
 そうするうちに前半25分、高川学園が先制点を奪う。MF水本和弘(1年)のパスからFW綾部廉太郎(2年)が放った強烈なシュートは、聖光GK原慎悟(2年)が防いだが、こぼれ球を右サイドからMF伊石祐也(1年)がシュート。これがファーサイドに流れたところを、うまくポジションを取ったFW梅田魁人(2年)が押し込んでネットを揺らした。
 
 良い時間帯に先制した高川学園に対し、聖光はFW波田野賢汰(3年)の精力的なプレーなどで反撃を狙うものの、敵陣に入っても数的不利の状況が続き、良い形を作れない。ゴール前でセットプレーのチャンスをつかむシーンもあったが活かせず、そのまま高川学園のリードで前半を終えた。
 
 迎えた後半、立ち上がりの4分に高川学園が追加点を奪う。綾部に代わって後半開始から交代出場していたFW岡田浩平(3年)が、水本のスルーパスに反応して左サイドのスペースに抜け出すと、追いすがる聖光のDFを鋭いステップのドリブルで振り切り、左足で蹴り込んだ。「先発でもよかったが、途中から出ると、相手が精神的にも嫌がるタイプだと思った」という江本監督の起用が見事に当たっての得点でリードを広げた。

 その後、高川学園は前半以上にボールを支配してダメ押し点を狙ったが、ラインを押し上げた聖光の背後を狙うスルーパスが、ことごとくオフサイドにかかってチャンスにつながらない。逆に25分過ぎからは、粘り強く反撃を狙う聖光の反撃に遭い、ゴール近くまでボールを運ばれるシーンが出てきた。

 それでも、終わってみれば聖光の後半のシュートはゼロだった。要所を抑えた高川学園は後半37分、相手の背後を突いて右サイドを抜け出した岡田が強烈なシュート。これはクロスバーに当たって決まらなかったが、下に落ちてワンバウンドしたボールが大きくはね上がったところに、伊石が詰めてヘッドで押し込み、勝負を決める3点目を奪った。

 結局、3-0で高川学園が勝ち、夏の高校総体に続いての全国切符を手に。3年ぶりの選手権に向けて、江本監督は「決定力が…。もっと取れるシーンはあった」「守備では、ボールの失い方。もう少し危機管理能力を持ちながらプレーさせたい」と課題を挙げ、攻守両面のパワーアップを誓っていた。

[写真]試合後、関係者も交えて記念撮影をする高川学園

(取材・文 石倉利英)

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