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[選手権予選]高い理想追及するスーパーエース、東福岡MF中島賢星「まだ弱い」

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[11.16 全国高校選手権福岡県予選決勝 東福岡高 1-0 九州国際大付高 レベスタ]

 東福岡高のU-18日本代表MF中島賢星主将(3年)は福岡県制覇に笑顔を見せていたものの、喜びは控えめだった。「点数を獲れていない。自分が満足して勝ちたい。大舞台で満足して終われるくらいならば最高なんですけど。まだ弱いかなと思います。自分が」。抜群のボールコントロールを随所で発揮した。浮き球を跳躍しながら難なく胸で収め、正確なトラップ、パスでチームの“潤滑油”の役割を果たしていた。DFの逆を取るドリブルや1タッチ、2タッチのショートパス、展開・・・攻撃のほとんどに絡み、チャンスあればミドルシュートを打ち込んだ。タイミングのいい動き出しも見せていた中島だが、周囲との呼吸が合わずに決定的なシーンに顔を出すことができない。準決勝でハットトリックを達成していただけに決勝も、という思いが本人は非常に強かったが、大一番で主役になることはできなかった。

 全国総体後怪我に苦しんだが、コンディションは上がっている。その中で決定的な仕事だけではない役割を丁寧にこなしている印象だ。ただ本人は自分で仕掛けて点を取る部分に課題を感じている。「自分がマークされることで他を活かすという判断もありますし、マークされても破って行かないといけない。自分でも局面を打開してゴールまで持って行けるような選手になりたい」。夏の全国高校総体は3回戦で開催地代表の強敵・山梨学院高を沈めるスーパーゴール。優勝に貢献したが、大津高に逆転勝ちした決勝後は、勝利へ導くプレーができなかった自分自身の不甲斐なさに涙を流していたほどだ。勝つだけじゃなく、活躍して勝つ。そして大一番で主役になる――。エースとしての理想像は非常に高い。

 志波芳則総監督は97年度に高校3冠を達成した世代と比較しても今年の東福岡がそん色ないチームであることを認める。「3冠獲ったあの時のメンバーと変わらない。本山がいるかいないかの違いくらいでしょう」。97年度の東福岡のエースでその後、鹿島、日本代表で活躍してきたMF本山雅志。今年のチームで本山のような存在になりうるのは主将で10番を背負い、年代別日本代表にも名を連ねる中島しかいない。「もっと頑張らないといけない。期待はもちろんされていると思うんで、その期待には応えられたらベストですし。本山選手にはなれないと思うけれど、自分にしかないものもあると思う。周りも使えて自分でもゴール目指すところとか、『ここに出すか』というイメージとかは自分の武器だと思います。いいものを吸収しつつ、良さを出していけるようにしたい」。プロ入りが決定的になっている中島が本当に満足して選手権を終えた時、東福岡は夏に続いて全国2冠を達成しているはずだ。

(取材・文 吉田太郎)

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