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[選手権予選]F東京内定の流経大柏DF小川が2G!6回目の挑戦で宿敵・市船を撃破し、目指すは全国一

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[11.16 全国高校選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 3-2 市立船橋高 オリプリ]

 流通経済大柏高(千葉)のDF小川諒也(3年)は、6度目のライバルへの挑戦でようやく勝利をつかみとっていた。過去2年におよぶ5度の戦績は1分4敗。すべての試合に出場している小川が、市立船橋高との大一番にかける意気込みはハンパなものではなかった。「市船に勝つためだけに」準決勝後の1週間を過ごした。

 いざ決勝が始まると、流経大柏はペースを握りながらも前半のうちに2点を献上してしまう。「個人的に落ちそうな部分があった」と小川は試合後に明かしたが、折れそうな心をチームが支えてくれた。「みんなはまだやれるという顔をしていましたし、監督やスタッフからも『やるしかない』と言われました」。そして迎えた後半、小川の2得点でスコアは2-2に。「自分のゴールというより、全員で押し込んだゴール」。チーム一丸となって試合を振り出しに戻した。

 プロからも熱視線を送られる小川は、その能力の高さからSBやCBからFWまでマルチにこなしているが、突破力を活かせる左サイドがよく似合う。決勝では4-4-2の左SHで先発。2点を追いかける展開になると、「4トップ気味」(小川)の左ワイドを務めた。結果的に2得点はCKとPKからだったが、流経大柏の後半の攻めは左サイド偏重に。「自分が勝てれば試合の流れをもっていけるし、負ければ流れを相手にもっていかれると思っていました」。数的優位で守りたい市立船橋は攻撃に人数をかけることができず、終わってみれば後半のシュートは1本だった。FW福井崇志(3年)の決勝点は、MF相澤祥太(3年)が右サイドから上げたクロスによって生まれているが、背番号2の不退転の覚悟が試合の行方に影響を及ぼしたことは間違いない。

 立ち上がりから飛ばしていた流経大柏が、ラスト5分で逆転弾を突き刺し、最後まで戦い抜くことができた秘密は、「相当追い込まれました」と振り返る今夏にある。インターハイ出場権を逃したことで、流経大柏には11年ぶりに“夏休み”が訪れたが、選手たちを待っていたのは1日3部練習というハードトレーニング。「決勝でもうちは足が止まらなかったですし、そのときの練習が活きていると思います。全員が最後まで走れます」。

 宿敵からの勝利の興奮も冷めやらぬ翌17日、FC東京から加入内定がアナウンスされた。「素晴らしい選手がいるチーム」とは練習にも参加した小川評だ。現在、F東京で左SBのレギュラーポジションに君臨するのは、昨日のオーストラリア戦(2-1)でフル出場をはたした現役日本代表のDF太田宏介。DF長友佑都もF東京時代に代表デビューを飾っており、日本代表左SBへの登竜門となっている。

「流経が最強ということを証明したいと思います」。まずは最後の高校サッカーに全精力を注ぐ。

[写真]市立船橋DF藤井拓主将(3年)から千羽鶴を託される小川(右)
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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