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[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.21]宇治山田商MF結城海太(2年)

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DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」 
[11.15 全国高校選手権三重県予選決勝 宇治山田商高 3-1 四日市中央工高]

 高校サッカー選手権三重県予選決勝。初出場を懸けてこの舞台に臨んだ宇治山田商高のメンバーは、先発11人中10人までが3年生。その中で「25」の背番号を背負った唯一の2年生が、左MFの結城海太だった。

 決勝の相手は常連校にして、全国4強メンバーが多数残る四日市中央工業である。さぞや緊張したことだろう。ビビったりはしなかったのだろうか。そんな素朴な疑問をぶつけてみると、結城はきっぱりと否定した。

「試合前から負ける気はしなかったし、勝てると思っていました。勝つことだけイメージしていた。先輩たちが、今のメンバーが四中工に劣っているとは思っていなかったので」

 むしろこうも言い切った。

「選手権の県決勝。こういう舞台になってくると今まで以上のモノを出さないといけないし、実際にその力を出せたと思う。試合内容も良かったし、点が入ってからは流れもできた」

 その持ち味はスピード。「普通に50m走とかならば大していいタイムは出ないですよ。でも、芝の上でスパイクを履いて走るなら、誰にも負ける気はしません」と言う。目の覚めるような縦への素早い突破でアシストを記録したこの試合の3点目は、そんな彼の個性が出たハイライトだったと言えるだろう。

 もっとも、個人的に気になったのは、その後だった。プレースタイルから「典型的な速筋系」(江崎徹監督)の選手であることはすぐに分かった。持久力に長じたタイプではなく、指揮官は「途中出場で(切り札として)使う可能性も考えていた」と言うのも無理はない。だがこの試合、結城は得意とは言い難い持久面でも凄味を見せる。攻勢を強めた終盤の四中工。クロスを上げる選手にプレッシャーが掛からなければ即失点という空気感の中で、必死に足を伸ばし、相手のドリブラーに食らい付く。

 特に終盤、立て続けに相手ボールをブロックしたプレーからは、アップしながら試合を観ていた控え選手たちから喝采の声が漏れた。同じ団地に住んでいて、その個性をよく知る江崎監督は「頑張ってくれた」とシンプルな言葉でその姿勢を讃えた。

 宇治山田商を選んだ最大の理由として「まず家が近い」と言いつつ、江崎監督の存在に加えて、「一つ上の学年、先輩たちに強い選手がそろっているのも分かっていた」ことも挙げる。「(宇治山田商を選んだら)選手権に出られないなんて思っていなかった。それは今年の新人戦でも確信できた。『このチームなら行ける』って」と言い切った。そして「この学校を選んで良かった?」という質問には、「ホントに良かったです」と破顔一笑。初出場校の左翼を担うスピード自慢の16歳のプレーから、全国でも目が離せそうにない。

(取材・文 川端暁彦)
 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
 そして今回、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画がスタート! 各地の高校世代のゲームの中から、毎週つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!

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