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先制点アシストの山形DF山田「今日はギシさんの日」

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[11.30 J1昇格PO準決勝 磐田1-2山形 ヤマハ]

 判断が光った。前半26分、モンテディオ山形のFWディエゴが後方からのパスに反応する。ジュビロ磐田のGK八田直樹と重なるようになり、ボールが転がった先に、山形の右WB山田拓巳がいた。

 磐田のGK八田は戻り切れていなかったため、シュートを打つこともできた。しかし、山田はクロスを選択する。「相手もそろっていなくて、ディエゴが見えたので。タイミング良く、シンプルに上げた方が良いと思った」と、中央にいれたボールをディエゴがヘッドで合わせ、先制点につながった。「あそこまでうまく合うと思わなかったのが、たまたま合って良かったです」と、山田は喜んだ。

 しかし、前半アディショナルタイムに追い付かれると、後半も磐田に押し込まれる時間帯が続く。そんな状況でも、山田は「やっていても、勝てる気はしていた」と言う。「シーズン中もああいう押されるシーン、持たれるシーンはありました。そこである程度耐えられているので、不安はなかったですね。ただ、今日は引き分けではダメだったので、どこかで自分たちのスイッチを入れて、勝ち切らないといけなかった」。

 その『スイッチ』が入ったのは、後半アディショナルタイムだった。流れの中で、なかなか攻撃の形をつくれなかった山形だったが、CKからGK山岸範宏が決勝ヘッドを決めた。「最後は本当に奇跡的というか、すごいことが起こりましたよね。今日はギシさん(山岸)が相当止めてくれたし、ギシさんの日だったんじゃないですか」と、攻守に大活躍の先輩GKに感謝し、「ただ、自分たちの気持ちの方が強かったんじゃないかなと思います。チームとして勢いもありますし、あと2試合、頑張っていきたいと思います」と、クラブの未来も大きく変えることになるであろうプレーオフファイナルと天皇杯決勝を見据えた。

(取材・文 河合拓)
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