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クロアチア戦の重要性を説くFP吉川「高い意識でチャレンジし、課題を見つける」

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 国内唯一のプロクラブである名古屋オーシャンズでキャプテンを務め、代表、クラブで数々の国際舞台を経験しているFP吉川智貴は、この合宿と18日、20日のクロアチア戦で、今後の日本代表の課題を明確にしたいと語った。

 合宿2日目となった2日、ミゲル・ロドリゴ監督は、これまで以上に細部にこだわった戦術確認をした。「監督がやりたいのは、サイドでの1対1の仕掛けで、今日やったのは、そこでのドリブルの練習と、その際のポジショニングの確認です。クロアチアも、時間帯によっては引いて守ることもあるそうなので、そういう細かいポジショニングが大事になってくると思います」と、この日のトレーニングを振り返る。

 仮に日本がアジアで戦う場合、イランを除く相手の個の力は、日本よりも劣る。そのため、細かな決まりがなくとも、優勢に試合を進められる。しかし、相手が世界トップレベルとなると、そうはいかない。ドリブルを仕掛ける際、サポートの動きで相手のマークを外したり、ボールを失った際のリスク管理だったりが必要となる。

「格上の相手になると、1対1で勝てないことは増えてくると思います。そうなったときに、どう崩していくかが、今の日本の課題だと思います。試合をやらないと詰め切れないところもあると思いますが、今回の親善試合はクロアチアという良い相手とできるので。多分、1対1で勝てない場面も多くなると思うので、そのときにどうするかを、この2試合の課題にしてもいいかなと個人的には思っています」

 今回の合宿で、ある程度自分たちの戦い方を確認しておき、格上のクロアチアとの強化試合で、より具体的に自分たちの課題を浮き彫りにし、共有する。すべては、2年後のW杯で結果を出すためだ。

「アジアでは優勝という結果もついてきました。次に目指すのは、やっぱりW杯のベスト8以上。そうなると格上の相手とやることが多くなります」と吉川は言い、「今回は、そのための親善試合」と続ける。

「もちろん練習も大事ですよ。練習で詰めて行くことも必要ですけど、この2試合を意味のあるものにしないといけない。高い意識を持ってチャレンジして、そこで今後につながる課題を見つける場にしたいと思っています」。代表、クラブでアジア王者に輝き、7月にはピッチ上でプロポーズをして婚約も交わすなど、公私に実り多き1年を過ごしてきた吉川は、最後の一か月も充実させるために全力で駆け抜ける。

(取材・文 河合拓)

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