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先制弾も空砲に…浦和DF槙野「去年の教訓を生かせなかった」

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[12.6 J1第34節 浦和1-2名古屋 埼スタ]

 値千金の先制点を叩き込んだが、勝利には、そして優勝には結び付かなかった。試合開始早々の2分、MF柏木陽介の蹴り出したCKをDF槙野智章がヘディングで合わせると、ボールはクロスバーに当たりながらもゴールマウスに吸い込まれて浦和レッズに先制点がもたらされた。

 勝利こそが、優勝へ近付く最終戦での大きな先制点。勢いがもたらされると思われたが、槙野は「ゴールを決めた後から、プレッシャーなのか、運動量で相手に上回れてしまいました」と振り返ると、「だから、そこで奮い立たせるような叱咤激励ができれば…」と悔しさを表した。

 昨季は最後の3試合で3連敗と失速。そして、今季も1分2敗と勝ち点を伸ばせずに、最後の最後でG大阪に逆転優勝を許した。「去年の教訓を生かしたいと思っていたけど、結果として残りの3試合で拾えた勝ち点は1だけでした。去年、経験しているにも関わらずに流れを変えられなかったことに、自分の不甲斐なさを感じている」と自らの不甲斐なさを悔いた。

 だが2度の失速を経験したからこそ、何が必要かを自分なりに感じているようだ。「1年間戦ってきた中で、終盤に力尽きていくチームに対して、この時期にもっと嫌われ役になるというわけではありませんが、強くなるための発言、そしてプレーを増やしていかないといけないし、もっと自分に厳しく、チームに厳しくやらないといけないと思う」。

「自分たちの手の中にあったものがすり抜けていった」と語ったように、1-0のまま逃げ切っていれば優勝していたのかもしれない。だが、失速した2度の経験を無駄にしないことが来季以降は重要となる。「何度も言いますが、2位に終わったことに不甲斐なさを感じています。ただ、間違いなく来年以降につながる1年だったと思う」。この苦い経験を来季につなげ、3度目の正直でのリーグ制覇を目指す。

(取材・文 折戸岳彦)
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