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[MOM322]早稲田大FW中山雄希(2年)_“当日メンバー外の悪夢”から復活のFWが先制弾

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 大学選手権2回戦 早稲田大3-1岩教大 BMWス]

 CKから味方が落としたボールへ反応し、左足シュートを決めるとチームへ待望の先制点をもたらした。早稲田大FW中山雄希(2年=大宮ユース)は0-0で迎えた前半29分に試合の流れを引き寄せるゴールを決めた。

 試合後、得点シーンを振り返った中山は「こぼしてくるだろうなという予測から生まれたゴール。狙っていたところにきたので、触るだけでした。ヒロに感謝したい」と笑顔。CKを頭で落としてアシストしたFW山内寛史(2年=國學院久我山高)に感謝した。

 チーム最多の4本のシュートを放った中山だが、この日が今季公式戦初先発。名門・早稲田大で初先発の座を勝ち取るまでには、ひとつの悔しい出来事があったという。11月16日に行われた関東大学リーグ戦、最終節の慶應大戦(0-1)。当初はメンバー入りしていた中山だったが、試合当日に古賀聡監督から「前線に守備のできる攻撃陣をおきたい」と言われ、メンバーを外れることになった。これまでベンチ入りを続けていた2年生FWにとって、この悔しすぎる出来事は、再び自らのプレーを見つめるきっかけとなった。

 その後、全日本大学選手権開幕までの約3週間。「守備をしないと、このチームで試合に出ることはできない」と痛感した中山は「守備を意識して、日々積み重ねてきました」という。そして、努力の日々は報われる。古賀監督は中山を「この3週間のトレーニングで仲間の信頼を勝ち取った」と高評価。大舞台での先発起用につながったのだ。

 先制弾を決めた中山について、指揮官は「今回の試合が今季公式戦初先発だったが、常に相手の最終ラインを狙って脅威になってくれた。ゴールも決めて非常に良かった」と労った。

 大宮アルディージャユース出身の中山にとって、全日本大学選手権のような大舞台は「ほぼ初めてでした」という。それでも「初の大舞台で4年生や今まで支えてくれた家族やチームのために。何が何でも自分がゴールを決めて勝利に導きたい」と強く思うと、その気持ちがゴールをも引き寄せた。

 準々決勝は中2日で迎える16日に行われ、早稲田大は阪南大(関西1)と対戦する。中山は「まだ一勝したに過ぎないので。自分たちらしさ、早稲田らしさを体現して勝ち抜きたい。自分自身もゴールを決めて貢献したい」と力を込めた。

(取材・文 片岡涼)
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