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[MOM323]流通経済大MF古波津辰希(3年)_日本代表田口と同ライン、開花待たれる「凄い選手」

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 大学選手権2回戦 東学大1-3(延長)流経大 町田陸]

 後半、相手が1人少なくなったことで、流通経済大は完全にボールを支配した。守りを固める東海学園大をピッチをワイドに使って崩しにかかる。その攻撃のタクトを振るっていたのはMF古波津辰希(3年=流通経済大柏高)だった。

 延長戦に入ってすぐに生まれた決勝点も演出した。ゴール前にこぼれたボールに勢いよく反応すると、思い切って右足を振り抜く。結果的にはGK大澤俊太(1年=東海学園高)の好セーブに阻まれてしまったが、押し込んだFW山岸祐也(3年=尚志高)も「80%くらいは辰希のゴール」と感謝した。

 古波津は沖縄県出身。流通経済大柏高の先輩で、現在名古屋グランパスに在籍する日本代表MF田口泰士は小禄中の先輩にもあたる。中学、高校は入れ替わりとなるが、流通経済大柏高に進学する際は田口が古波津を本田裕一郎監督に紹介して、入学が実現した。選手層の厚い流通経済大柏高にあっても、下級生の時からレギュラーとして活躍。複数のJクラブから熱視線を浴びた。

 本人は「行く気だった」と高校卒業後のJクラブ入りを夢見ていたが、故障の影響もあり、卒業後は流通経済大に進学。当初は悔しい思いもあったが、「流経大はプロを多く輩出している。ここで成長できれば、プロがついてくると思う」と今はしっかり切り替えも出来ている。さらに名古屋と練習試合をした際に田口と話す機会があったようで、「しっかりプロになれよと言ってもらった。追いかけている存在なので」と目を輝かせた。

 中野雄二監督も「今時いない選手。華麗な上手さとか、中盤でダイナモ的にボールに絡んでいく。プロであろうが高校生であろうが、どんな相手とやっても力を抜かずに全力でプレーが出来る。凄い選手だと思います」と最大級の評価を与える。アギーレジャパンで飛躍を遂げる先輩と同ラインを辿る逸材の開花が待たれる。

(取材・文 児玉幸洋)
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