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[MOM1240]F東京U-18MF佐々木渉(3年)_トップ昇格のエースが劇的V弾!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 徳島市立高 0-1 F東京U-18 コカ広島ス]

「こういう仕事をしてくれると思っていた。クオリティでこじ開けてくれたんで。ああいうグレードの選手じゃないと上に上がれないと思う」。FC東京U-18の佐藤一樹監督は後半終了間際に決勝点をたたき出したMF佐々木渉(3年)について賛辞を並べた。トップチーム昇格が内定している10番が見せたここ一番での集中力と技術。延長戦突入目前の後半42分、佐々木はMF高橋宏季のループパスを引き出すと、「縦行こうと思ったんですけど、相手が縦にぐっと入るのが見えたので止まれば(かわせる)と思った。そうしたら上手く止まれたので、あとはシュートを打つだけ。イメージ通りでした」と切り返しから決勝点を流し込んだ。そして珍しく感情を表に出して歓喜の雄叫び。「感情のこもった試合でもあったので」と照れ笑いしたが、チームを救う素晴らしいゴールで見事にエースの役割をしてのけた。

「病気とかもあって結果を残せていない。(準優勝した)クラブユースとかでも納得いく結果が残せなかった。『最後やってやる』という気持ちです」。佐々木はトップチーム昇格こそ決めているものの、怪我などもあって決して満足の行くシーズンを過ごしてきた訳ではない。この日もベンチスタート。ただ、「仲間とのコミュニケーションとかもしっかりと取れている。最近は練習でも、試合でも責任を持ってできている」とこれまで以上に意欲的な日々を送ることができているというMFは「チームに迷惑をかけてきた」という思いを喜びに変える準備をしてきていた。この日は引いた相手に対してなかなかボールを触ることができず、パフォーマンスには満足していない。それでも、責任を持ってプレーし、劇的な一撃でチームに歓喜をもたらした。

 GKからDF、中盤、前線まで実力者揃う今年のF東京U-18だが、同じ世代から来季トップチームに昇格するのは佐々木だけ。仲間たちの期待にも応えなければならないという思いがある。「上がれることは嬉しいですし、全国大会にも出てもっと何人も上がってもいいと思うんですけど、その中で自分だけという事でやってやらないといけないし、上がることが決まったからには味スタのピッチでフルにできるような選手になりたいですね」と誓う。「引いた相手でも怖いところでボールを受けて、相手をかわしたり、意表を突くパスとかもっと増やしていきたい。(プロ入り後は)味方もだますようなプレーだったり、面白いプレーを狙っていきたいですね」

 自らの足でチームメートたちとプレーする試合をひとつ増やした。15日の清水桜が丘高戦も勝利して後輩たちにプレミア切符をプレゼントする。「また後半から出るのか前半か出るのか分からないですけど、自分でも納得行くようなプレーをしてプレミア参入を決められたらいいと思います」。エースは静かに決意表明した。

[写真]後半42分、F東京U-18はMF佐々木が右足で決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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