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[MOM1241]仙台ユースMF茂木駿佑(3年)_“悪魔のボール”急激変化のFKで星稜ゴール射抜く

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 プレミアリーグ参入戦1回戦 仙台ユース 2-1 星稜高 広島補助]

 0-1、前半シュート0本。思うようなサッカーができず、星稜高の前への圧力に苦しんでいたベガルタ仙台ユースに、大きな勢いをもたらす一撃だった。

 後半35分、右タッチライン付近でFKを得ると、MF茂木駿佑(3年)はボールを丁寧にスポットに置き、助走距離を取った。そして中の様子を見ると、助走に入る。キックのフォームに入ると、周りは完全に中に合わせてくると判断をし、動き出した。しかし、ボールの軌道は全く違った。左足から放たれたキックは一旦中央に軌道を描いたが、壁を越えると急激に曲がって、ゴールニアサイド(右隅)に突き刺さった。この時、星稜GK坂口璃久は一歩も動けなかった。

「まさか直接狙うとは思わなかった。あのフォームだと中に来ると思った」とU-16日本代表MF佐々木匠が驚いたように、茂木のフォームは完全にクロスを上げるフォームだった。

「最初は中に上げようと思った。そうしたらGKのポジションがファー寄りで、ニアが開いていると思ったので、2枚の壁の右上を巻くように狙おうと思った。いつもの蹴り方だけど、より腰を回転させることで、ボールに回転を掛けることを意識した」

 いつもより腰の回転を早くし、恐ろしく曲がるボールを放った。だからこそ、一度はクロスに見えたボールが、急変してゴールを強襲した。相手にしてみれば、まさに“悪魔のボール”だった。

 このゴールがチームに勢いをもたらし、相手に大きなダメージをもたらした。そして、42分には中央でボールを受けると、素早く右サイドに展開し、そこから逆転弾が生まれた。

「相手がどこであろうと、自分たちのやるべきことをやる。明日も狙っていきたい」。

 喜びに沸くのは15日の決戦で勝利をしてから。大宮ユースと戦う2回戦でも“悪魔のボール”で射抜くことを、茂木は虎視眈々と狙っている。

(取材・文 安藤隆人)
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