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[プレミアリーグ参入戦]仙台ユースに逆転勝ち!大宮ユースが初のプレミアリーグ昇格!

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[12.15 プレミアリーグ参入戦2回戦 大宮ユース 2-1 仙台ユース Eスタ]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2014 プレミアリーグ参入戦は15日に2回戦を行い、エディオンスタジアム広島では大宮アルディージャユース(関東1、埼玉)が2-1でベガルタ仙台ユース(東北1、宮城)を下し、来年度からのプレミアリーグ参入を決めた。

「なんでここまで来られたか、正直分からない(笑)。1年生の時はこの舞台に立つなんてことも想像できなかった。1、2年頑張るだけでここまで変われるんだということが分かった」。来季からの大宮トップチーム昇格が決まっているDF高山和真がそう話すのも無理はない。彼がユースチームに上がった2年前はプリンスリーグ関東2部に所属し、プレミアリーグとは遠い場所にいた。翌年は1部に昇格し、今年は関東王者としてプレミアリーグ参入戦に挑戦。トントン拍子で駆け上がった背景には「キックの練習やヘディングの練習を皆で残ってやってきた。そういう努力は今日の試合で活きたと思う」という頑張りがあった。

 試合序盤は「大舞台の経験がないので、らしさが出せなかった。リラックスはしているけど、勝たなければいけないという使命感からくる硬さがあって足が動かなかった」(伊藤彰監督)と仙台の勢いに飲まれてしまう。前半20分にはMF佐々木匠のパスを受けた仙台MF小林拓真に中央をドリブルで持ち込まれ、ミドルシュートを決められてしまった。

「クリーンシュートを打たれた場合、プロなら足に当てて逸らせるかもしれないけど、高校年代は仕方ない。僕自身はあのシュートは気にならない。もっと崩された状態やミスで失点した方が修正に時間がかかったと思う」。伊藤監督がそう振り返ったように、大宮は先制点を許しても、落ち込むことはなく、時間の経過とともに自陣でのボール回しが機能し始めたが、相手陣内での繋ぎは「関東の人は東北の人たちよりも簡単にボールを失わない。今までやってきたよりも30cm、40cmでも身体を寄せるように意識していた」というボランチ・茂木駿佑を中心とした仙台の守備陣にことごとく、潰されてしまった。

 大宮は1点リードされた状態で迎えた後半、ハーフタイムに指揮官から喝を入れられたことで調子を取り戻すと、アンカーの菅原朋也を起点に中央を細かく繋いでリズムを作りながら両サイドに展開。FW川田拳登藤沼拓夢がサイドをエグり、ゴール前へと折り返す形でチャンスを作った。効果的なクロスを入れながら、仙台DFを崩し切れない時間が続いたが後半25分に、右サイドを川田がドリブルで突破。コーナー付近でDFに囲まれたが粘り強くかわしてゴール前にパスを展開すると、ニアで反応したのは途中出場のMF松崎快。相手DFとぶつかり、合わせることができなかったが、こぼれ球がゴール前で待ち構えていた藤沼の下に転がり、冷静に押し込んで同点に追いついた。

 大宮は32分にも右サイドで川田がボールを持つと、DF清水玲央が攻撃参加。中央に入れた低いクロスは一旦、相手DFの下に渡ったが、素早くMF小野雅史が身体を当ててクリアを阻止。一度、小野は倒れ込んだが素早く立ち上がり、ルーズボールを自ら押し込んだ。苦しんだ試合だったが、終わってみれば2-1で勝利。来年度からのプレミアリーグ参戦を決めた。

 大宮は大阪産業大附高(関西2)との初戦も1-0での辛勝。決して楽な戦いではなかったが、今年、大宮ジュニアユースの監督から大宮ユースの監督となった伊藤監督は「負けることもあったけれど、這い上ろうとする力や、修正して新しいモノを生み出すバイタリティーを感じた。中学時代は精神的に若くて崩れがちだったけど、こういうゲームでも崩れずに勝てたというのは凄く成長しているからだと思う」と選手たちを高く評価。「チャレンジャーという部分はあるけど、やるからには頂点を目指さないと意味がない。それだけの選手がいると思うので、レイソルに続きたい」と参入1年目からの頂点獲りを口にした。

(取材・文 森田将義)
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