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[MOM331]阪南大MF重廣卓也(1年)_阪南大の未来を担うDMF

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.16 大学選手権準々決勝 早稲田大1-2阪南大 BMWス]

 そこには重廣がいる。1年生にして阪南大でレギュラーボランチとして定着するMF重廣卓也(1年=広島皆実高)はそんな存在である。辛口の須佐徹太郎監督も「守備でかなりボールを奪っていた」と重廣の成長には目を細める。この試合では、後半15分にこぼれ球を右足アウトサイドで押し込み、攻守で勝利に大きく貢献した。

 試合後、マン・オブ・ザ・マッチに選んだことを告げた。すると「(まだ選ぶのは)早いです、早いです。僕きょう何もしてないですよ」と照れ笑い。「まだまだです。まだまだ走らんとあかんと思ってますから」と続けた。しかし他の候補が決勝点を奪った八久保颯(3年=秀岳館高)だと話すと、「八くんとだったら僕の方がいいかな」とイタズラっぽく笑った。

 成長を続ける陰には同学年のライバルの存在がある。ともに先発したMF山口一真(1年=山梨学院大附高)、この日はベンチスタートだったMF脇坂泰斗(1年=川崎F)は、自他ともに認めるライバル関係にある。

 そして彼らの成長が更なるチーム力強化にも繋がる。須佐監督は現在アンカーポジションを務めるMF松下佳貴(3年=松山工高)を、将来的には攻撃的な位置で使いたい構想を持っており、重廣らが現在の松下の代わりを務めれば、可能性は無限に広がることになる。

 準決勝で対戦する関西学院大には、苦い思い出を持っている。5月の関西選手権準決勝で対戦した際に「完全に狙われた」からだ。ボールを持つ2人3人と囲まれ、「『行け、そこ』みたいな感じでやられた」。ただ、今はその時とは違うと自信を持っている。「次は見返してやろうと思ってます」とニヤリ。指揮官も「トレーニングのおかげて股関節が残るようになった。そこが大きい。前向きにトレーニングするから」と太鼓判を押した。

 端正なマスクでスター性を感じさせるが、「僕はそういうキャラじゃない」と話す。「大人しくしてる方なんで」とやや意外な声も返ってきた。今はサッカーを頑張るだけ。そんな強い意志が見て取れた。

(取材・文 児玉幸洋)
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