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アギーレ監督のアジア杯指揮を確認も…原専務理事「あらゆる対応ができるように」

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 日本サッカー協会は18日、都内で理事会を開き、理事会後に原博実専務理事と法務委員長を務める三好豊弁護士が記者会見を行った。

 理事会冒頭では大仁邦彌会長から各理事に対し、八百長疑惑でスペイン検察当局から告発された日本代表のハビエル・アギーレ監督をめぐる現状について説明。「多くのサッカー関係者、サポーター、スポンサーの方々、選手たちも含め、ご心配をおかけして申し訳ない」と謝罪した。

 原専務理事は会見で「今後の成り行きはあるが、現状はアギーレ監督がアジア杯の指揮を執ると会長から話があり、理事の方にも了承いただいた」と明らかにし、来年1月に開催されるアジア杯も引き続きアギーレ監督が指揮を執ることを協会として確認した。

 ただし、あくまで状況に変化がなかった場合という前提条件付きでもある。報道陣から「アジア杯までの続投が決まったということだが……」と質問が出ると、原専務理事の回答後、三好弁護士が「『アジア杯の指揮を執ることが決定している』と言われたが、アジア杯で指揮を執っていただく方針を変える状況にはなっていないということ」と補足する場面もあった。

「告発はされたが、我々として現時点で八百長を示す証拠を発見できているわけではないし、そういう状況においては、アジア杯で指揮を執ってもらうことを変更する事態にはなっていない」。そう説明した三好弁護士は「状況に応じて対応を変えていくということ」と付け加えた。

 原専務理事も、協会としてあらゆる可能性を想定して協議しているのかと聞かれ、「それは当然、いろんなことを考えている。いろんな情報を収集しながら、あらゆる対応ができるように考えている」と言及。事態の展開によっては、去就問題に発展する可能性があることを認めた。

 スペインの司法制度では、告発が受理された段階で本格的な捜査が始まり、その結果、十分な嫌疑があると判断されれば、起訴となる。告発が受理された場合、アギーレ監督自身が裁判所に出頭し、証言を求められる可能性もある。指揮官は「2月に一度、供述する必要が出てくるだけ」と、アジア杯への影響を否定しているというが、実際のところは協会としても把握し切れていない。

 三好弁護士はアギーレ監督の弁護士、協会が契約しているスペイン在住の顧問弁護士ら専門家とコンタクトを取り、「正確な情報を集めていく段取りを今しているところ」と説明。原専務理事は「我々が今、やらないといけないことは現状の正しい認識。裁判所が告発を受理し、本格的な捜査が始まった場合、どうなっていくのか。どういう頻度で(供述のために裁判所に)呼ばれ、(出頭の時期の)要望は利くのか。我々がやらないといけないのは、正しく速やかに情報を収集すること」と強調した。

 一方で、関係者41人とサラゴサが告発の対象となる中、「相当、時間がかかるのではないかということは情報として入手している」とも語った三好弁護士。事態は長期化の様相を呈しており、指揮官が疑惑を抱えたままチームの指揮を執り続けることで選手に動揺を与える可能性も否定できない。

「僕らが払拭しないといけないのは選手たちが不安に思っているところ。選手を落ち着かせることが大事」。原専務理事は29日に国内合宿が始まるタイミングで選手に対して説明する考えを示したが、報道陣からは「今日のような説明では選手もスッキリしないのではないか?」との声も挙がった。

「監督は監督で説明をすると思うし、僕らは僕らは説明するしかない。これ以上の説明はありますか?」。そう気色ばんだ原専務理事は「起訴されたわけでもないし、現実として41人とサラゴサというクラブが告発の対象になっているが、この週末にも試合はあるし、選手はプレーする。それは監督も同じ。それを説明するしかない」と語った。

(取材・文 西山紘平)

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