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世界で戦える才能発掘する「NIKE MOST WANTED」間もなく開幕!前回の国内選考会勝者が高校生たちへメッセージ

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 世界で戦える若きフットボールプレイヤーを探す世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE MOST WANTED」(昨年までは「NIKE CHANCE」として実施)の国内選考会(ローカルセレクション)が間もなく開幕する。

 14年12月24日の「キックオフセレクション」(レッズランド)から始まる「ローカルセレクション」を勝ち抜き、“日本代表”として15年4月末からイングランド代表の本拠地であるセント・ジョージズ・パークで開催されるトライアウト「NIKE MOST WANTED グローバル ファイナル」に出場するのは2名。前回、“日本代表”としてイングランドで開催されたグローバルファイナルに出場したDF楠本卓海(東京国際大1年)が世界に挑戦した感想と、今回、「NIKE MOST WANTED」に挑戦する高校生選手たちにメッセージを送った。
(取材協力:NIKE JAPAN)

―確か2年連続の参加だったんだよね。始めに参加しようと思ったきっかけは?
「Nikeのスパイクとかインナーとか試し履きをするやつがあって、Nikeの人が高校に来たんです。そのときにスカウトされて、そういう企画があるとは全く知らなくて。で、セレクションに行ったら受かっちゃって、という感じですね。あんまり実感とか、狙った感じではなかったです」

―そういう話があると聞いたとき、どう思いました?
「自分は無名で、高校自体もそんなに強くないけど、セレクションは有名校の子がたくさん来ると思ったので、受かる・受からないは関係なく、楽しそうだなと思って受けました。自分の力を試したいというか」

―最初の年はセレクションに落ちたわけですよね。2回目が3年生の時。もう1回チャレンジしようと思ったのはなぜ?
「Nikeの方からまたお誘いがあったというのと、前回落ちている悔しさもあって。前回セレクションを通った人たちがすごく楽しそうで。外国人とプレーしているのを見てうらやましいなと、自分もやってみたいと思って受けました」

―1度目と2度目の挑戦で、どこが一番違いました? 事前の準備とか、セレクションでのパフォーマンスとか。
「緊張しなかったです。落ちる前提で、何も考えずに、できるだけ力出せればいいなと。パフォーマンスはたぶん、1回目はすごく緊張していて、声も出せてなかったし、対人もフィードもあんまりうまくいってなかったと思います。それに比べると2回目は結構大胆にできました」

―2回目の挑戦でセレクションに通ったのは、どこが評価されたからだと思いますか。
「自分の持ち味である対人の強さだったり、ヘディングが評価されたんじゃないかと思います」

―同世代の高校生と競い合う経験というのは、当時の自分にとってどんな意味があったと思いますか?
「セレクションという経験をそれまで全くしてこなかったので、まずそういう場を経験できたこと、そこで独特の、緊張感を持ったゲームを経験できたことがよかったです。普段の部活でやっている練習だったり、試合だったりとは全然違う緊張感、雰囲気があったと思います」

―グローバルラウンドに話を移します。セント・ジョージズ・パークに足を踏み入れてみて、どうでした? 最初の印象は。
「かっこいいなーと思いました。最初の予想と全然違って、普通のホテルに泊まるのかと思っていたんですけど。それが行ってみたらイングランド代表が泊まるところと聞いて。緊張しました。中がめっちゃきれいで。プロってすごいなーと思いました」

―3日間のセクションで、いろんなメニュー、イベントなどがあったと思うんですけど、印象に残っているものは
「練習メニューは一番、ゲームが楽しかったですね。試合形式ばっかりだったんです。ちょっとアップしたら、もうミニゲームとか、11対11のゲームばっかりだったので。あとイベントで言うと、ベンテケが来ました。自分は知らなかったんですけど。あとクレバリーが来て、びっくりしました」

―どうでした、生ベンテケは。
「でかかったです(笑)」

―グローバルラウンドでは、自分の納得のいくパフォーマンスを出せたという実感がありましたか?
「いや、たまたまNike Academyと試合した時に対峙したFWが自分よりでかくてごっつかったんで、ちょっとこれまともに戦っても勝てないな、と思っちゃって。そこで1歩引いてしまったんで、ちょっとそこが反省点でした。日本ではあんまりなかったんで。自分よりでかいFWと対戦するってことが。でかかったです。日本だとでかいFWでも自分と同じくらいなので」

―メニューの中にはコーチの指導もあったんですか。
「ボール回しのところはコーチが指導してくれますね。ただのパス出して走るメニューだったんですけど、細かく指示してくれましたね」

―同世代の世界トッププレーヤーと戦ってみて、どうでした?
「まず日本人じゃないということで、スピードとか対人、フィジカルの強さは最初から予想していたんですけど、同世代だからやっぱり負けたくないし、チャレンジのもせっかく来た意味がないって感じで。失うものはないと思っていたんで、がむしゃらにやりました」

―印象に残った選手はいました?
「2人いたんですけど、1人はギリシャ人で、身長はそんなにないんですけどめちゃくちゃ足が速くてごついやつで、もう普通に抜かれて。あと1人はブラジル人のCBだったんですけど、自分よりでかくて強くて。その2人は印象に残りました」

―改めて振り返って、自分で成長したと思うところは?
「行った後はやっぱり世界をちょっとでも経験できたので、そっちが基準になりましたね。フィジカルコンタクトが日本で通用しても世界ではどうなのか。ヘディング勝てていても、外国人はもっとでかいから、どうなのかとか。そういうことをもっと深く考えるようになりました」

―逆にここは通用した、という部分もあったと思うんですが。
「ロングフィードだったり、対人もヘディングも一応は負けなかったんで、そこは自信になりました」

―今もう1回、グローバルファイナルに行けるとしたら違った自分を見せられますか。
「できると思います。外国人に1回びびったんで(笑)、次行けばそこも気にせず、思いっきりできるのかなあと。やっぱり最初は『できるのかなあ』っていう、メンタルのところが大きかったですね」

―では現在の楠本くんについて。今は大学生なんですよね。東京国際大学。チームの中ではどういう立場なんですか。
「結構早い時期にトップチームには上がれたんですけど、4年生とかにちょっと遠慮しちゃって。思いっきりできなくて。試合にも1回も出れてない状況です。一応トップチームにはいるけど、試合には出てないです。だから目標はまずはスタメンで出ることです」

―グローバルファイナルを経験したことが、今のプレーに生きていると思いますか。
「日本人のほうがフィジカルコンタクトが弱いっていうか、球際での必死さ、がむしゃらさが外国の選手にはあったんで。外国人は人生懸けて来ているから、というのを関係者の方に言われたんですけど、ちょっとそこ意識して見てみたら、ちょっとでもボールがルーズになったらスライディングするぐらいだったんで、「気持ち入ってるなあ」という。そこは自分でも意識しています。

―プロは意識している?
「それはずっと意識してます。グローバルファイナルに行く前からずっと。グローバルファイナルに行ったことで、少しは近づけたかなあと思いました。グローバルファイナルに行けたこと自体が。関東ラウンドで選ばれて、自分の実力が少しは通用するのかな、と思いました。自分のことを普段見ているコーチではなく、全く知らない人から評価されるというところが、やっぱり自信になります」

―NIKE MOST WANTEDに参加する高校生たちに、先輩としてアドバイスを送ると。
「受かれば世界に行けるっていうプレッシャーで、自分の思い通りのプレーだったり、よく見せようと思うんじゃなくて、自分ができることは限られているだろうし、それぞれ得意不得意があるんで、そこはセレクションということを気にするよりは、思いっきり自分の出せるところを出せるように、がむしゃらにやればいいと思います。変にセレクションと意識しないほうがいいと思います」

―高校生年代の部活性に対して、普段のトレーニングへのアドバイスはありますか。
「自分が意識していたのは、どこの高校とやったとしても、個で勝ったとしても満足したことはなくて。上には上がいると思ってたので。現状に満足せず、毎日練習することが大切だと思います」

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