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[選手権]ユース取材ライター陣による「選手権展望」vol.1

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特集企画「ユース取材ライター陣による『第93回全国高校選手権展望』」

 第93回全国高校サッカー選手権開幕まであと5日! ゲキサカでは「ユース取材ライター陣による『選手権展望』」と題し、ユース年代を主に取材するライター5氏に大会の見所や優勝争いの展望、無名の注目校、初戦注目カードなどを紹介してもらいます。第1回は“ユース教授”こと安藤隆人氏による大会展望です。


 聖地を埼玉スタジアムに移して、初となる選手権。年々、予想するのが困難になりつつある選手権において、今年も予測困難な要素がいくつもあるが、例年と比べて少し違うのが、はっきりとした大本命のチームが居ることだ。

 東福岡高(福岡)と流通経済大柏高(千葉)。この2チームが今大会を牽引する存在となっている。東福岡はMF中島賢星(横浜FM内定)と増山朝陽(神戸内定)の2人にばかり注目が集まっているが、GK脇野敦至、DF加奈川凌矢、MF近藤大貴、赤木翼、FW木藤舜介らその脇を固める選手たちの能力も高い。流経大柏もDF小川諒也(F東京内定)以外にも、MF相澤祥太久保和己、FW高澤優也など、個性的な選手を揃える。

 タレント、実力ともに申し分ないこの2チームを、どこが止めるのか。これが今大会の最大の見所と言っていいだろう。その力を備えた刺客たちはたくさん居る。特に流経大柏のゾーンは刺客揃いだ。初戦で立ちはだかる作陽高(岡山)、2年生にタレントを揃える矢板中央高、FW大岩亮太(群馬内定)とDF笹原脩平(鳥栖内定)の2人のプロ内定選手を抱える初出場の秀岳館高(熊本)。そして尚志高(福島)、広島皆実高(広島)、立正大淞南高(島根)という国立経験チームがずらりと顔を並べる。このゾーンは今大会最大の激戦区で、どこが出てきてもおかしくない。果たして流経大柏が、このゾーンを抜けられるのか。注目したい。

 逆に東福岡のゾーンは、静岡学園高(静岡)と東福岡が抜きん出ている状況。逆に大波乱が起こる可能性もあるだけに、ここに注目してほしい。

 星稜高(石川)VS鹿児島城西高(鹿児島)、米子北高(鳥取)VS昌平高(埼玉)、長崎総合科学大附高(長崎)VS中京大中京高(愛知)、履正社高(大阪)VS北海道大谷室蘭高(北海道)という、好カードが目白押しで、かつ青森山田も居るゾーンも2番目に激戦区。そして、前橋育英高(群馬)がリードするゾーンも、初芝橋本高(和歌山)、山梨学院高(山梨)、國學院久我山高(東京A)、日章学園高(宮崎)、京都橘高(京都)など個性派ぞろいで白熱が期待される。

 果たしてどのチームが初の埼玉スタジアムでの王者になるのか。今年もまた高校生たちの気持ちのこもった戦いが、冬の関東圏を熱くさせるだろう。
安藤氏の挙げる大会本命、対抗、ダークホース、注目校、初戦注目カード、得点王候補

■本命=東福岡高流通経済大柏高

■対抗=青森山田高前橋育英高立正大淞南高星稜高広島皆実高

■ダークホース=履正社高鹿児島城西高山梨学院高尚志高作陽高

■注目校=秀岳館高日章学園高國學院久我山高初芝橋本高矢板中央高

■初戦注目カード=鹿児島城西高vs星稜高流通経済大柏高VS作陽高広島皆実高VS尚志高前橋育英高VS初芝橋本高北海道大谷室蘭高VS履正社高

■得点王=岩元颯オリビエ(鹿児島城西高)、増山朝陽(東福岡高)、渡邊凌磨(前橋育英高)、丹代藍人(青森山田高)、林純平(尚志高)

[写真]安藤氏が本命に挙げるうちのひとつ、全国総体優勝校の東福岡
執筆者紹介:安藤隆人
1978年2月9日生まれ。元銀行員の経歴を持ち、ユース年代は大学時代から取材を続けている、この年代のエキスパート。日本全国のみならず、世界各国を股にかけ、『ユース教授』との異名を持つ。サッカー雑誌以外にも少年ジャンプなどにも寄稿。著書は『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)など多数。
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