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[選手権]3年前の先輩たちの姿見て進学を決意、歴史を塗り替えた第一学院

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 第93回全国高校サッカー選手権に初出場する第一学院高の佐々木将貴監督は準々決勝で敗れた全国高校総体予選後、3年生中心に個人面談を行い、選手権へ向けた意思を確認したという。「ほとんどの選手が選手権どうするという質問に対して優勝すると言ってきた。じゃあ選手が口にしたことなので、こっちは全力を尽くすだけでした」。まだ成し遂げたことのない選手権での茨城県制覇。そして「全国で戦えるチームになる」という目標、それに対する取り組みが選手たちを成長させ、タイトルを獲得させた。

 第一学院はウィザス高時代の11年度選手権予選で準優勝。PK戦の末に鹿島学園高に敗れた試合をスタンドで見ていた選手たちが進学を決意した。MF畠山翔太主将(3年)は「自分は3年前にここの決勝を見て、全国行きたいなと思っていたので、(全国へ)行けるならここが一番近道なのかなと思って来ました」と語り、DF西村達也(3年)は「3年前、決勝をナマでカシマスタジアムまで見に行って、感動して自分たちが全国舞台に連れて行きたいと思っていたので達成できて良かったです」。学校のある茨城県内だけでなく、福島県の実家から通学している選手、そして東京都や神奈川県から進学して寮生活を送っている選手たちが、「先輩たちの分も自分たちが全国へ」の思いを結実させた。

 GK佐藤隼(3年)が「全国で戦えるチームを目標にしてきたので、出場はあくまでも通過点に過ぎない」と語るように、本当の勝負はここからだ。新人戦終了後に藤枝MYHCヘッドコーチへ転身した大石篤人前監督から引き継いで指揮を執り、就任1年目で初の全国へ挑戦する佐々木監督は「まず全国に出て満足ではなくて、全国に出てどうするのかを突き詰めていかないといけない。楽な試合は絶対にない。我慢できて少ないチャンスをものにできるようにしていきたい。一戦一戦引き締めて戦って目の前の敵に勝てるように。失う物とかは何もない。積み上げていくだけだと思う」。京都橘高との初戦へ向けてMF徳田京也(3年)は「相手どうこうでなくて自分たちはチャレンジャーなので、何も失うものはないと思うので、しっかりと戦って優勝を目指します」と宣言した。

(取材・文 吉田太郎)
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