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[横山杯]市立船橋は2-0勝利も、「再び」勢いに飲まれた後半を反省

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[12.28 横山杯決勝第2グループ第1戦 市立船橋高 2-0 前橋育英高 矢田部サッカー場A面]

 市立船橋高(千葉)が「横山杯 第15回全国ユース招待サッカー大会」1st Division決勝第2グループ第1戦で前橋育英高(群馬)を2-0で下した。

「ゲームを読むことができていなかった」。試合後の市立船橋の朝岡隆蔵監督の言葉は厳しいものだった。そして選手に向けて「上手くいかない時に試されているのに(チーム全体が)受ける雰囲気を漂わせる。チームを勇気づけるプレーをしてくれるヤツがいない」。

 市立船橋は前半30分に右サイドから繋いだボールを受けたMF高宇洋が思い切りよく縦に仕掛け、そのこぼれ球をMF小池豊が右足でゴールへと流し込んだ。「いい守備ができている」「このままゼロで行こう!」という声がチーム内から出るほど好守を見せていた前橋育英のゴールをこじ開けて1点を奪取。市立船橋は横へ広げるパスが多く、陣形が崩れかけた相手に間髪入れた攻撃をすることができないシーンなどがあったものの、テンポの速いパスワークで攻めた前半をいい形で終えた。ただ、後半は前から出てきた前橋育英に押し込まれ、CKから危ないシーンを迎えるなど相手の勢いを受けてしまっていた。

 前橋育英は選手権に登録された30名を除く選手が参加。次世代の主力候補たちは不在だが、北村仁コーチから選手たちには「(選手権後の新人戦は)誰が出るか分からないよ」という声がけがされている。メンバー入りへの競争も兼ねた戦いの中で「予選リーグは守備重視で行ったけれど、頑張れる子たちだなと思った」(北村コーチ)という前橋育英は後半、市立船橋をPAまで押し込んだ。 

 市立船橋は11月の全国高校選手権千葉県予選決勝で2-0から流通経済大柏高に逆転負けを喫している。また8月の全国高校総体初戦でも広島皆実高(広島)に2-0から逆転負け。当時から先発の半数以上を占めていた1、2年生はリードしている展開でも、受け身になってしまうことの危険性は身をもって理解していたはずだが、この日はその流れを変えることができなかった。MF椎橋慧也主将も「それを跳ね返すだけのチームの力もなかったからああいう展開になった」と唇を噛んでいたが、そこで流れを読んで変えられるチームにならなければならない。

 それでも前橋育英MF有阪柊哉のスルーパスにFW小田将大が反応した場面はCB杉岡大暉が阻止したほか、献身的な動きを見せる椎橋と古屋誠志郎のダブルボランチらが奮闘して無失点で切り抜けた。そして市立船橋は後半30分、朝岡監督から激しい檄を受け続けていたFW永藤歩が想いをぶつけるかの如く意地のドリブル突破。右サイドへ深く切れ込んでからのクロスを高が頭で押し込んで2-0で勝利した。「市船は勝ち続けないといけないと思う。勝ち癖を新チームスタートからつけていけるように勝ちにこだわってやっています」と椎橋。攻撃に重きを置いた3-6-1システムで自分たちに高い守備の負荷をかけながら個々を鍛える名門は、悪夢を繰り返さないような逞しさ、そして勝ち癖を今大会身に着ける。

(取材・文 吉田太郎)
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