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[選手権]“ヒガシのクリロナ”MF増山、クロスバー直撃の強烈シュートに「ボールが伸びた」

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[12.30 全国高校選手権開幕戦 三鷹高0-2東福岡高 駒沢]

 最大の見せ場は後半39分だった。2点リードの東福岡高(福岡)はDF末永巧(3年)から右45度の位置でパスを受けたMF増山朝陽(3年)が右足を一閃。強烈なシュートはクロスバーを叩き、場内をどよめかせた。

「もうちょっと下を狙ったけど、ボールが少し上に伸びた」。試合を決定づけるダメ押しゴールとはならなかったが、“ヒガシのクリロナ”ことヴィッセル神戸内定の背番号7が最後に魅せた。

 厳しいマークに苦しんだ。東福岡が誇る“右サイドの槍”を三鷹はサイドハーフとサイドバックの2人で挟み込んで対応するなど最大限に警戒。「縦に2枚いたし、中にもカバーがいた。自分が仕掛けて、ボールを取られてカウンターを食らう場面もあった」。徹底マークに得意のドリブルを封じ込められた。

 前売りでチケットが完売した開幕戦には1万5083人の観衆が詰めかけた。優勝候補筆頭に挙げられる東福岡が相手ということで“判官びいき”もあったか、スタジアムの雰囲気は地元・東京代表である三鷹を後押ししていた。

「観客が多くてアウェー気味だったけど、みんな切れずにプレーできたのはよかった。これだけアウェーというのはあまり経験がないけど、アウェーのほうがやりやすい。見返してやるというか、チャレンジャーの気持ちでやれる。アウェーのほうがみんなもモチベーションが高くなる」

 会場の雰囲気だけではない。全国高校総体で17年ぶりの優勝を成し遂げた夏の王者に対し、対戦相手も常に“打倒・東福岡”を狙って高いモチベーションでぶつかってくる。森重潤也監督は「僕らにとってはすべての試合が決勝戦。それを乗り越えて勝ち上がることで真のチャンピオンになれる」と力を込めた。

 全国高校総体でMVP級の活躍を見せた増山には今後も厳しいマークが付くはず。その“包囲網”をかいくぐり、チームを夏冬連覇に導けるか。「もう少し高い位置で受けたり、動き出しを工夫しないといけない。今日は(得点)ゼロだったので、次の試合は点を取りたい」。“ヒガシのクリロナ”の本領発揮はこれからだ。

(取材・文 西山紘平)
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