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[MOM1268]流通経済大柏FW福井崇志(3年)_県予選から4戦連発のスーパーサブに指揮官も驚嘆

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 流通経済大柏高3-3(PK8-7)作陽高 フクアリ]

 神がかっている。千葉県予選の全3試合でいずれも途中出場ながら決勝点を決めてきた流通経済大柏高(千葉)のFW福井崇志(3年)が全国高校選手権の初戦でもチームを救う劇的な同点弾を決めた。

 2-1とリードしていた後半12分に投入された福井だが、チームは後半23分、33分と相次ぎ失点。2点リードを失い、2-3と試合をひっくり返された。それでも「負けるという気持ちは自分にはなかった」と福井は動じない。「自分が入ったら、自分が決めるしかないとずっと思っていた」。待ち続けたワンチャンスは後半アディショナルタイムに訪れた。

 左サイドからFW高沢優也(3年)がゴール前に折り返したボールを相手GKが弾くと、「足に触るだけだった」と押し込み、土壇場で3-3の同点に追いつく。そのまま突入したPK戦でも勝利を決めるキックを蹴ったのが福井だった。先攻の作陽8人目をGKが止めると、後攻・流通経済大柏の8人目が福井。「入る気しかしなかったので、楽に蹴れた」と、落ち着いてゴール右に蹴り込んだ。

 千葉県予選でも、初戦となった準々決勝・柏日体戦(2-1)、準決勝・習志野戦(2-1)ともに福井が後半アディショナルタイムに劇的な決勝点を奪った。0-2から逆転勝ちした決勝・市立船橋戦(3-2)も2-2の後半35分に福井が勝ち越しゴール。いずれも途中出場で決勝点を決め、流通経済大柏を4大会ぶりの全国高校選手権に導いた。

 本田裕一郎監督は「本人はとぼけたヤツなんですが……」と苦笑い。「力は持っているし、一発を持っているから、本当は先発から行きたいけど、故障しているのもあって、ああいう使い方で今までずっとよかったから」。県予選前に痛めた膝の影響もあり、途中出場での起用が続く背番号20の連続ゴールに「これで4試合連続ですか。恐ろしいぐらい」と素直に驚嘆した。

「選手層が厚いので、最初からは出られないけど、途中から出たらみんなの倍走って、点を決めるのが自分の仕事。それができたのはよかった」。試合後も飄々と報道陣の取材に答えていた福井。流経柏の誇るスーパーサブは今後も対戦相手にとって脅威の存在となりそうだ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)
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